湘南キャンパスで11月25日に、第5回宇宙建築賞の審査会が行われ、大学院工学研究科建築土木工学専攻1年次生の萩原祐貴さんと市原幸祐さん、西将志さんのグループが入賞しました。宇宙建築賞は、本学工学部建築学科の十亀昭人准教授や、宇宙飛行士の山崎直子氏らが運営している実行委員会が毎年開催しています。今年度は、月面に設置する宇宙資源開発施設の提案がテーマで、本学のほか全国の大学生らが結成した5チームが、審査委員長の建築家・中村好文氏らの前でプレゼンテーションを行いました。
萩原さんらは「Dream continuation –Adventure of Shakleton」と題して、月の南極にあるシャクルトン・クレーター全体の永久凍土を利用して水・鉱物資源開発施設や温泉施設、太陽光発電施設などを設置し、統合的に活用するプランを提案。実用性の高さや独創性などが評価されました。萩原さんは、「普段の研究では、地球上の具体的な土地について法律などさまざまな規制を考慮に入れながらプランを考えますが、今回は『こんな施設があったらいいな』という希望をかなえたいとの思いを大切にしてプランを考えました。宇宙建築賞への参加は今回で3回目ですが、講評会では毎回審査員の先生方から興味深い話を聞くことができるためよい経験になっています。宇宙建築は今後発展していくと思うので、こうした催しを通じてこの分野に携わる人がより多くなることを期待しています」とコメント。市原さんは、「審査員の先生方が、実現性と理想のバランスをとったちょうどよいところで議論している姿を見て、常日ごろから考え続けることの大切さを学びました。実地調査ができない宇宙空間での構造物について考える中で、建物を設計する際には五感を大切にしながら想像力を働かせることも大事なのだと感じました」と語っています。また西さんは、「クレーターを最大限に活用するためには、斜面の特性を利用して全体に施設を配置したほうがよいと考えて今回の提案を設定しました。その視点を高く評価してもらえたのがうれしかった。私自身が持つイメージを膨らませる力がどのくらいなのかを知る機会にもなりました」と話しています。