3月28日、29日に高輪キャンパスで、タイ・モンクット王トンブリ工科大学(KMUTT)と本学による国際学会「International Conference on Materials Processing Technology 2019」を開催しました。2003年から実施してきた金属材料およびその加工技術についての国際会議で、今回で14回目となります。今回は工学部材料科学科の宮沢靖幸教授が実行委員長を務め、本学から吉田一也副学長(工学部精密工学科教授)や神崎昌夫教授(工学部機械工学科)、槌谷和義教授(工学部精密工学科)、葛巻徹教授(工学部材料科学科)、源馬龍太講師(同)のほか、多くの学生、大学院生が参加しました。
初日には基調講演としてKMUTT工学部のディロック・スリプラパイ准教授が「Research trend for high quality aerospace parts manufacturing in Thailand」をテーマに、タイにおける高品質な航空部品製造の現状やその研究動向について語りました。また、本学工学部卒業生でろう付・熱処理加工技術の開発に取り組む東京ブレイズ株式会社代表取締役社長の松康太郎氏も登壇。「Fundamentals of Brazing Technology and The Latest Trends of Furnace Brazing」と題して、ろう付技術の基礎からその最新研究動向や課題について紹介しました。また翌2日目には源馬講師が「Atom Probe Tomography(APT) for Analyzing hydrogen and hydrogen storage alloys」のテーマで、3D原子イメージング機器であるAPTを用いた水素および水素吸蔵合金の分析について解説しました。
会場では本学とKMUTTの学生、大学院生による口頭発表も行い、それぞれに最新の研究成果を報告。今後の研究計画や将来の可能性について活発に意見を交わしました。また、日本電子株式会社、東邦インターナショナル株式会社、冨士ダイス株式会社による企業展示も同時開催され、学会参加者との活発な情報交換が行われました。
宮沢教授は、「国際会議は、2018 年度総合研究機構『研究集会補助計画』による援助を受け、本学学生や大学院生の献身的なサポートにより大成功しました。また、この国際会議を通じて、接合や塑性加工など様々な材料加工技術に関する知見が相互に共有されるとともに、日本・タイ両国の友情の架け橋になればうれしい」と話しました。