大学院工学研究科建築土木工学専攻の学生が土木学会関東支部技術研究発表会で優秀発表者賞を受賞しました

大学院工学研究科土木工学専攻2年次生のチョウドゥリ・ザフラさん(バングラディシュ出身)と瀧川瑞季さんが、3月13、14日に群馬県前橋市で開催された第46回土木学会関東支部技術研究発表会で優秀発表者賞を受賞しました。同研究会は、土木工学や土木技術に関する研究成果などを発表する機会として毎年開かれているものです。7部門にわかれて実施されており、各部門の発表者のうち若手研究者による優秀な発表に優秀発表者賞が贈られています。

ザフラさんは、水質や環境問題を専門的に学びたいと、国際協力基金のイノベーションアジアプログラムに応募。見事合格して東海大学に進学しました。東海大では、土木工学科の寺田一美准教授の研究室に所属。熊本県の地下水に、農業用肥料などが溶け込んでできる硝酸態窒素がどの程度含まれているのかを調べ、乳酸菌を活用して水質を浄化することを目指す研究に取り組んでいます。学会では、県内の白川で行った調査結果を報告しました。

一方瀧川さんは、伊達重之教授の研究室でコンクリート施工時に用いられる化学混和剤の性能をより効果的に発揮させる手法の開発を目指す研究に従事。これまで施工現場では、混和剤が加熱されると分散効果が向上することが知られていましたが、瀧川さんはそれを科学的に証明。今回の発表では、混和剤の加熱前後でコンクリートの分子サイズが変わっていないことから、加熱しない場合では死渇(活性化していない)状態の混和剤が活性化したことで性能が向上したことを報告しました。

ザフラさんは、「母国では、水道水も煮沸しなければ使えない状態にあるため、世界有数の技術を持つ日本に学び、その状況を少しでも改善したいという思いを強く持っていました。今回受賞できたのは、先生をはじめ、大学の職員や学生の皆がサポートしてくれたおかげ。東海大に来られて本当によかった。自信にもなったし、他の発表から学ぶことも多かった。 これからも研究を続け、多くの人たちを助けられるフィールドで仕事をしたい」と話しています。瀧川さんは、「これまでは、混和剤の加熱によって分子構造が変わってしまっているのではないかとの疑問もありましたが、今回の成果によって既存の混和剤の性能がより引き出された結果であることが確認できました。研究では、マイクロナノ研究開発センターの喜多理王教授(理学部物理学科)や佐々木海斗研究員にも大変お世話になっており、この成果を出せたのもお二人のおかげです。今後もさまざまな企業の意見も取り入れつつ、施工現場で活用できるようにするため、一歩でも研究を前に進めていきたい」と語っています。

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