大学院工学研究科応用理化学専攻の白鳥さんが「日本バイオマテリアル学会」で受賞しました

大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生の白鳥瑚乃羽さん(指導教員=工学部応用科学科/マイクロ・ナノ研究開発センター:岡村陽介准教授)が、2019年11月26日に茨城県つくば市で開催された日本バイオマテル学会大会で、優秀研究ポスター賞を受賞しました。この学会は、生体に使用する材料とその応用に関する科学・技術の発展・向上を目的として活動しています。同賞は、大会発表者のうち学生を含む若手研究者による優秀な発表に対して贈られるものです。

白鳥さんは、「組織・細胞の刺激を1視野でイメージングできる撥水性多孔質超薄膜の創製とラッピング技術」のテーマで発表しました。岡村准教授の研究室が、ゼブラフィッシュを使った遺伝子疾患の研究を手掛けている三橋弘明准教授(工学部生命科学科)の研究室と共同で行っている研究の成果を発表したものです。

魚などの生物を観察する場合には、シャーレ上に対象を載せて顕微鏡で観察する手法が一般的に用いられています。しかしこの方法では、対象物を固定できないことから、正確な観察がしにくいといった欠点がありました。今回受賞した研究では、独自に作成した撥水性超薄膜でゼブラフィッシュの卵や稚魚を覆うことで、より安定して対象を観察できる手法を提案。学会では、動画を交えながら実際に観察した結果を発表しました。

受賞を受けて、「学会中も多くの人が関心を持ってくれただけでなく、材料や機械分野などさまざま分野の研究者からアドバイスをいただくなどとても有意義でした。今回受賞できたのは、岡村先生はもちろん、研究員の張宏さんの手厚い指導があったからだと思っています。もともとこの研究テーマを選んだのは、研究紹介の時に水溶液中に漂う超薄膜(ナノシート)が輝いているのを見て『美しい』と思ったのがきっかけでしたが、研究を続ける中で、治療の発展などにつながることにやりがいを感じるようになっています。研究の面白さは、まだ誰も結果を知らないことを自分なりに掘り進めていくところにあると感じています。これからもさまざまな可能性を探っていきたい」と話しています。

なお白鳥さんは、5月に開催された高分子学会でも優秀ポスター賞を受賞しています。

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