光・画像工学科の佐藤さんが国際会議「IEEE CMPT Symposium Japan 2019」で受賞しました

工学部 光・画像工学科4年次生の佐藤遼さん(指導教員=藤川知栄美教授)が11月18日から20日まで京都で開催された国際会議「「IEEE CMPT Symposium Japan 2019(ICSJ)」で、Early Career Researcher Session Awardを受賞しました。この賞は、ICSJ期間中に開かれた「Early Career Researchers’ Session」での発表の中から、研究のオリジナリティや技術の新規性、プレゼンテーションの質などについて、会議への参加者が、その場で評価・投票し選ばれます。

佐藤さんは、「Polymer Optical Coupling Device with Single Mode Fiber for Silicon Photonics」のテーマで発表しました。この研究は、紫外線を照射すると固まる性質を持つ「紫外線硬化樹脂」を使って、光ファイバーの端面に簡易にマイクロレンズを作る技術についてまとめたものです。光ファイバーの中の光を通す部分(導波路)の直径はさまざまな大きさものが存在します。異なる直径の導波路を接続して使う場合には工夫が必要であり、結合デバイスと呼ばれています。例えば光ファイバの先端を研磨してレンズ形状にする方法が用いられていますが、高度な微細加工技術が必要という課題があります。

佐藤さんはその課題の解決策として、樹脂を塗ったスライドガラスに光ファイバー先端をわずかに接触させてから離し、紫外線を照射するシンプルな方法で、光ファイバー先端に直径10マイクロメートル(1/100ミリメートル)の導波路とさらにその導波路の先端にマイクロレンズを作った結合デバイスを提案。マイクロレンズを設けない場合に比べて高い効率で光を伝送できることを確認しました。

受賞を受けて、「夏休みの間もずっと大学に通って続けてきた研究での受賞だったのでとてもうれしく思います。会議では来場者から、シンプルでとてもインパクトのある研究だとの声もいただき、今後に向けた励みにもなりました。もともと光通信に関心があるとともに、手作業で物をつくるのが好きだったことからこの研究室に進んだのですが、学生のアイデア生かし、自由に研究できる環境の中で私自身も大きく成長できたと感じています。大学卒業後は、企業で技術職として働くことになるので、大学で学んだことも生かしながら人の役に立つものを世に送り出していきたい」と話しています。

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