「電気自動車・燃料電池車・ソーラーカー製作講習会」でソーラーカーチーム監督の木村教授が講演しました

3月12日にオンラインで開催された、「電気自動車・燃料電池車・ソーラーカー製作講習会-エコカー開発とカーボンニュートラル社会・SDGsを担う人材の増強を目指す-」(主催:日本太陽エネルギー学会事業委員会、東海大学)で、東海大学スチューデントアチーブメントセンター・ライトパワープロジェクトのソーラーカーチーム監督の木村英樹監督(工学部電気電子工学科教授)が講演しました。この講習会は、多様なエネルギーについての最新の研究成果を共有するとともに、研究者や技術者の交流の場を提供することを目的に行われているものです。当初は高輪キャンパスでのハイブリッド開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的として、Zoomウェビナーによるオンラインのみの開催に変更され、ソーラーカーチームのメンバーをはじめ教員や研究者、学生、高校生、企業関係者など約200名が参加しました。

日本太陽エネルギー学会事務局長の池田祐一氏が講習会の趣旨を説明したのち、本学ソーラーカーチームの特別アドバイザーを務める池上敦哉氏(ヤマハ発動機)らエコカーやソーラーカー開発の第一線で活躍する専門家が講演。オンライン開催の利点を生かして、オーストラリア・アデレード大学の逸見紀夫氏も登壇し、「ソーラーカーにおける制御計測回路の設計と実装」をテーマに、同国を舞台に開催される世界最大級のソーラーカー大会「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」(BWSC)出場マシンの詳細などが語られました。

木村教授は、「電気・機械システムの高効率化を目指す低損失化」をテーマに講演。まず、2019年のBWSCで準優勝した同年型Tokai Challengerで出場しグランドチャンピオンとなった昨年8月の「ワールド・グリーン・チャレンジ」(ソーラーカーラリー(8月9日、10日、秋田県・大潟村ソーラースポーツライン)や、10月にコロナ禍で中止となったBWSCの代替えとして実施された「2021 BWSCバーチャル・プログラム テレメトリー・チャレンジ」での走行について振り返りました。また、ソーラーカーなどに用いられるモーターにおけるエネルギーの損失成分と効率について、エネルギーを損失させるさまざまな要素について解説。さらにエネルギー源となる太陽電池の構造の進化や最先端の太陽電池パネルでの損失低下の仕組みなどを紹介し、「モーターと太陽電池におけるエネルギーの損失を考えることで高効率化につなげることができる」とまとめました。また、終了後には木村教授の進行で質疑応答も実施。ソーラーカー製作におけるポイントや、太陽電池モジュールの自作方法、アマチュアによるソーラーカーチーム運営など多角的な視点から専門家が意見を交わしました。

当日のプログラムは以下の通りです
「講習会開催にあたって」 池田祐一(日本太陽エネルギー学会事務局長)
「ソーラーカー・エコノムーブ基礎講座(考え方のヒント)」 池上敦哉(ヤマハ発動機)
「高校生はここまでできた ソーラーカー競技への取り組み」 山本智弘(佐土原高校=元・宮崎工業高校)
「ソーラーカーにおける制御計測回路の設計と実装」 逸見紀夫(アデレード大学)
「リーズナブルに楽しむエコラン/ソーラーカー」 水野開渡(nn-tech)
「モノハル型ソーラーカーの設計と製作」 伊倉和弘(柏会)
「ペダル発電・人力ハイブリッドソーラーコミューターの挑戦」 山本久博(Solarcar Team Jona Sun)
「電気・機械システムの高効率化を目指す低損失化」 木村英樹・福田紘大(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻准教授)・佐川耕平(工学部電気電子工学科講師)