東京都市大学との合同シンポジウムを開催しました

東海大学総合科学技術研究所では3月23日にオンラインで、「自動車のトライボロジーに関する東京都市大学―東海大学合同シンポジウム」を開催しました。東京都市大学と本学は2018年度に研究交流に関する包括協定を締結しており、両大学が所有する実験機器の共同利用や教員同士の共同研究を行っています。今回は、流体の可視化技術開発の共同研究に取り組んでいる工学部機械工学科の畔津昭彦教授と落合成行教授、東京都市大学理工学部機械工学科の三原雄司教授が講演しました。

初めに、本研究所所長の岩森暁教授(工学部機械工学科)が東京都市大と実施している共同研究の内容や、研究コンソーシアムの概要を説明。続いて、畔津教授が「フォトクロミズムを利用した潤滑油膜流れの可視化法」と題して講演し、液体膜の流れを計測する新しい手法「フォトクロミズム」を応用した可視化計測手法の開発の経緯をはじめ、東京都市大やドイツのミュンヘン工科大らと取り組んでいるエンジンピストンの技術応用などについて紹介しました。落合教授は、「マイクロバブルによる軸受摩擦低減に関する基礎研究」をテーマに、「マイクロバブル」と呼ばれる小さな気泡がエンジンの潤滑油に含まれた際の流れの様子や潤滑に及ぼす影響を分析した成果を解説。エンジン軸受の隙間が狭いほど摩擦低減効果が現れることを説明しました。最後に東京都市大学の三原教授が、「東京都市大学におけるエンジントライボロジー研究と東海大学との連携」と題し、エンジン軸受の表面に潤滑油などが移着する影響や解決策などを紹介。また、本学をはじめさまざまな教育機関・企業と連携した研究事例や、独自の実験装置を用いた計測技術の概要を解説しました。

閉会にあたり稲津敏行副学長(理系担当)があいさつし、「コロナ禍によりなかなか活動ができず、学術的なシンポジウムは久しぶりの開催となりました。現代の科学技術研究において成果を上げるには、複数の機関が合同で取り組むことが重要です。今回ご講演いただいた先生方は、まさに共同研究の必要性を体現してくださっていると思います。今後も両大学の協力関係を引っ張ってくださることを期待しています」と語りました。