建築学科生が「建築学生レンタル」を起業し飲食店をリノベーションしています

 工学部建築学科の相沢悠斗さん(4年次生)が代表を務める「建築学生レンタル」が、9月中の完成を目指してJR埼京線「武蔵浦和駅」近くのカフェと「池袋駅」の定食屋をリノベーションしています。相沢さんは本学科で学んだ知識を生かして現場で経験を積みたいと、2020年夏ごろに学生有志団体として「建築学生レンタル」を立ち上げ、昨年6月にはセガフレード・ザネッティ・ジャパン株式会社が手がけるカフェ「セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ 新宿南口店」のリノベーションを担当。昨年11月に起業し、これまで飲食店や住居などのリノベーション、SNSのコンサルティングなど約15件のプロジェクトに取り組んできました。現在は本学科の学生だけでなく、熊本校舎や他大学の学生らも加わり15大学から約30名が参加。関東、関西、九州の3チームに分かれて活動しています。

相沢さんは、「施主の方から要望を聞いて設計担当が図面を引き、全国のメンバーとオンラインで意見を出し合い、専門業者のアドバイスも受けながら壁紙や照明、家具など細部を詰めています。施工には施主の方にも参加してもらい、日常的にコミュニケーションを取りながら作業を進めています」と話します。武蔵浦和のカフェのイスを手がける富張颯斗さん(建築学科4年次生)は、「額縁をモチーフにした店舗なので、イメージに合うよう何度も3Dで模型をつくり、機能面や安全性も重視しながらパイプを使った作品に仕上げました。意見を聞きながら形にする、貴重な経験になりました」と話しました。定食屋のプロジェクトに参加している小林智也さん(同3年次生)は、「動線を考え、壁紙や天井の高さなど深いところまで設計に携わることができてとても面白く感じています。団地や飲食店など異なるプロジェクトにかかわる中で多くのことを学べています」と語りました。

 関西と九州のチームはそれぞれビルのリノベーションを進めており、九州チームの中村大海さん(基盤工学部4年次生)は、「1年次生のときに解体工事のアルバイトを始め、壊した後に新しいものをつくる活動にも興味があり参加しました。今は崇城大学や福岡大学の学生とともにビルの1フロアを住居へとリノベーションしています。建設機器を扱う免許なども取得し、ほかのメンバーに解体作業をレクチャーする一方で、設計などは教わることも多く、意見を出し合いながら温かみのある住居を完成させたい」と意気込みを語っています。

 月に1回は建築関係の仕事をしているゲストを招いたオンライン講演会も実施し、建築に興味のある学生に幅広い学びの場を提供しています。相沢さんは、「現場は常にオープンにしているので、Instagramを通じて興味を持った学生が参加することもあります。予算の中でやりくりしながら、たくさんの選択肢の中から施主の方の意見をどうしたら形にしていけるか、教科書だけではわからない多くのことを学べる場にしたい」と語りました。