「ソーシャルワークの学びの総括報告会」を実施しました

健康学部健康マネジメント学科では7月10日に湘南キャンパスで、「ソーシャルワークの学びの総括報告会」を開催しました。本学部では社会福祉士の国家資格取得を目指す学生が、病院や児童相談所、社会福祉協議会、障がい者施設などで3年時の夏に約180時間、4年時の春に約60時間のソーシャルワーク実習に取り組んでいます。今回は、実習を終えた4年次生と今夏実習に参加する3年次生が参加し、実習先の施設スタッフや自治体職員らもオンラインで聴講しました。

初めに、授業を担当する篠原直樹助教がソーシャルワーク演習教育の概要を説明。1年時から4年時までの授業における座学、実習、演習の取り組みについて語りました。続いて、4名の代表学生が実習の成果を報告しました。児童相談所で実習に取り組んだ学生は、担当した子どもの家庭環境に触れ、「支援機関とつながることができても、地域の中で人とのつながりを持ち続けることが困難な状況でした。児童館やコミュニティセンターなど、子育て家庭が地域とつながる場所は存在していたものの、支援はそれらを利用することが前提となっており、利用しなくなるとつながりを再構築することがとても難しい。制度づくりはもちろんのこと、関係性を継続できる仕組みづくりが大切だと感じました」と振り返りました。福祉事務所で学んだ学生は、統合失調症の利用者への対応から、就労支援の難しさを語り、「家族との面談や地域訪問などを通じて、社会に参加しているという意識を持つことが大切」と意見。孤独・孤立対策推進法の国会議事録を紹介し、政策がつくられるプロセスや包括的な支援の重要性について話しました。

また、就労継続支援B型・生活介護事業所での実習に参加した学生は、高次脳機能障がいの利用者が親を亡くした際、1人で各種手続きを行うことが難しい状況にあった事例を踏まえ、関連する社会制度を紹介。「成年後見制度の利用や、葬儀の手続きについてまとめた自治体発行の冊子などもありますが、必要になってから申請してもすぐに利用することが難しいケースもあります」と話し、地域だけではなく国全体で取り組む課題であると語りました。最後に、障がい者支援施設・高齢者生活支援センターでの実習を経験した学生が登壇。“住み慣れた地域で自分らしく暮らしたい”と願う障がい者と、社会の側の支援体制に乖離があることを全国的な課題として挙げ、「関連する政策は現場から切り離された場所で議論するのではなく、利用者の声の積み重ねでつくられるべきだと考えます。そのためにもソーシャルワーカーは利用者一人ひとりの生活課題を個人の問題として終わらせず、背景にある社会課題を考えることが大切だと思います」と提言しました。

篠原助教は、「学生たちがこのような学びを得られたのは、各機関・施設の利用者や職員の方々、そして地域の皆さんのおかげです。本学では今後もさまざまな授業や演習を通じて学生を教育し、優秀な人材を輩出することで地域社会に貢献していきたい」と話していました。