健康学部開設1周年記念シンポジウム「健康フロンティアへの挑戦 学部開設から1周年を迎えて」を開催しました

健康学部では5月30日に高輪キャンパスで健康学部開設1周年記念シンポジウム「健康フロンティアへの挑戦 学部開設から1周年を迎えて」を開催しました。本学部は、「健康な社会」の実現に必要な総合的かつ専門性の高い人材を養成すべく2018年4月に開設しました。本シンポジウムは、開設1周年を記念するとともに、「ソーシャルウェルネス」「メンタルヘルス」「ソリューション(コミュニケーション、データ解析)」「健康と運動」「健康と栄養」の5つの科目群からなる本学部独自のカリキュラムを展開してきたこれまでの軌跡をたどるとともに、これからの未来を考えることを目的としています。

初めに山田清志学長が開会のあいさつに立ち、「東海大学の建学75周年を機に健康学部を開設し、今後も健康やQOL向上を基軸に大学を運営していきたいと考えています。その意味で、健康学部は中心的存在となります。この1年の節目を皆さまと検証し、今後につなげていきたい」と語りました。続いて「健康学部の1年の軌跡」と題して3名の教員が登壇。堀真奈美学部長は、「2年前の5月に本学部のキックオフシンポジウムを開催した際に、高齢化や人口減少など社会環境の変化に伴うさまざまな不安要素がありますが、未来は変えられるというお話をしました。私たちは未来を創造する人材を育てたいと考えていますが、実際に学生たちの声を聞くと、”未来は自分たちの努力や行動で変えられる””健康な社会の創造に貢献したい”という学生が多くいます」と話し、健康学部では多様な資格を取得でき、実践力を培うプログラムがあること、データに基づくセルフケアを日々の学びに取り入れ、東海大学ならではのネットワークを活用した教育を展開していることを紹介。小林理准教授と石井直明教授は、具体的な学びの現場を紹介。本学部の教員がそれぞれの専門分野について語ることで健康を多面的にとらえていく「健康学概論」や、学外で学びを広げる「フィールドワークA」などの授業のほか、有志の学生が取り組む課外活動を紹介しました。

その後の基調講演では、黒川清特別栄誉教授が登壇。「未来の健康な社会のために今、何をすべきか?」をテーマに、「人生100年と言われている現代では、今まで経験したことがないことが起こるでしょう。平成の時代を見ても、元年にはベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終わり、グローバリゼーションの流れが起こりました」とコメント。「日本は世界に誇る最長寿社会となり、世界中が注目しています。これまでの医療制度では合わなくなってきており、これからは医学だけではなく、違った視点のプレーヤーが増えていく必要があります」と健康学部への期待を込めました。続いて「地域包括ケアとICT」をテーマに、工学部通信工学科(当時)の卒業生で株式会社カナミックネットワーク代表取締役の山本拓真氏が基調講演。まずは、東海大学の学生が社会に出て活躍できる可能性が大きいという話をされ、学生にエールを送られました。その上で、医療・介護・子育て分野におけるクラウドサービス提供事業や広告事業を展開している山本氏は、「少子高齢化により医療介護業界は今後40年間規模が伸び続けることが確定しており、より健康が重要になってくるでしょう。ぜひ医学部も工学部もある東海大での学部を横断した取り組みを展開してください」と語りました。

さらに、本学部の西垣景太准教授の進行で、有賀誠司教授、阿部正昭准教授、山本氏が登壇し、「20代に求めるキャリア形成―『健康な社会』の実現を目指して」をテーマにパネルディスカッションを実施。有賀教授と阿部准教授が健康社会の実現という社会の要請に応えるプロフェッショナルや、固有の職業能力を持ったスペシャリスト、社会や人々に貢献するエキスパートの育成を目指してさまざまな授業や課外活動を展開している様子を紹介し、山本氏は「日々新しいものを取り入れ、自分の強みや人脈を生かしていくことが大切。たくさんの人脈が財産になり、成功につながる」と後輩たちにエールを送りました。

最後に堀越由紀子学部長補佐があいさつし、「社会に横たわっている問題は複合的であり、それを解決するのは誰かではなく自分たちなのだと考え、堀学部長のもと皆で頑張ってきました。ご参集いただいた関係者の皆さまにも学部の今後を見守っていただければ幸いです」とまとめました。客席で講演を聞いた本学部の学生は、「アイデアや行動次第で未来は変えていけるとあらためて感じました。これからもしっかり学んでいきたい」と語っていました。

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