教養学部人間環境学科の岩本泰教授とゼミ学生の田原莉梨沙さん(3年次生)が5月1日に、付属大阪仰星高校の1、2年生を対象とした出張授業の講師を務めました。大阪仰星高校・同中等部では、ユネスコの理念を学校現場で実践する国際的なネットワーク「ユネスコスクール」への加盟に向け、国際理解教育や環境教育、開発教育、平和教育など、現代文明論や総合的・探究的な学習を核としたESD(持続可能な開発のための教育)に取り組んでいます。岩本教授は本学部が所属する「ユネスコスクール支援大学間ネットワーク」(ASPUnivNet)の支援担当を務めていることなどから、毎年SDGsに関する授業の講師を担当。今年は初めてゼミ生も共に登壇しました。

1年生の授業では「SDGsを探究する」をテーマに、SDGsの概要や日本の企業・団体の取り組みを解説。一人ひとりの多様性を尊重して公平な機会を提供し、誰もが活躍できる環境を整備することを目指す考えを指す「DEI(Diversity :多様性、Equity :公平性、Inclusion :包摂性の頭文字を組み合わせた言葉)」について説明し、過去にゼミで「多様性」「自分らしさ」などについて意見を出し合った際の学生のコメントを紹介しました。
2年生の授業は来年3月に予定されている研修旅行の事前学習を行い、生徒たちが訪問する予定のフィンランド、オーストラリア、シンガポール、パラオ、北海道の概要や現地のスウィーツを紹介。また、8月に開催される大阪・関西万博でのJICA主催イベントに大阪仰星高の2年生が参加し、持続可能なカカオ産業に関するシンポジウムに登壇することから、カカオの生産地における児童労働問題やフェアトレードの重要性について語りました。田原さんは、「万博に参加する人はこの問題についてより深い知識を身につけ、自分たちの考えをしっかり話せるよう頑張ってください。また、参加しない人もこの授業を通じて関心を持ってもらえたのであれば、現地で起きていることや課題の解決策などを自分で調べてみてください」と語りかけました。
生徒からは、「自分たちと年齢の近い大学生の意見を交えた講演で理解しやすかった」「大学の授業の多くがSDGsに関係していると聞き、大切なことなんだと改めて思いました」といった声が聞かれました。岩本教授は授業を振り返り、「生徒たちと同世代の学生が話すことで視点や考え方に共感し、興味関心を深めるきっかけになったと感じています」と話しました。