教養学部人間環境学科の岩本泰教授が、3月21日に開かれた日本環境教育学会3月集会オンライン公開セミナー「世界に変革を生み出す環境教育-持続可能な社会の担い手を育むために-」(共催:立教大学ESD研究所、後援:全国地球温暖化防止ネット、ESD活動支援センター、関東地方ESD活動支援センター)で司会進行役を務めました。 同学会では毎年(2020年度は、コロナ感染症対策のため中止)、環境教育の内容をテーマとした研究集会を開いています。今回は、気候変動・気候危機のような地球規模の諸問題の解決策や教育機関・団体でのこれからの環境教育について、若い世代で先進的取り組むゲストをパネラーとして招いて意見交換することを目的に、持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)や国連SDGs(Sustainable Development Goals)の教育を専門とする岩本教授が本セミナーを企画立案・運営に参画。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、WEBビデオ会議システム「Zoom」を用いて実施されました。
初めに岩本教授が、「これからの世界では一人ひとりに、地球規模で抱える諸問題の解決を目指すSDGsへの積極的な参加と行動が求められます。共感力や当事者性を高め、持続可能な社会の構築に向けて、若い世代からの訴えなどを生かした環境教育の実践を考える機会にしたいと思います」と趣旨を説明。「世界に変革を促す環境教育を考える」をテーマに、環境活動家の露木志奈氏と人間活動家の宮﨑紗矢香氏、NPO法人新宿環境活動ネット理事・事務局長の飯田貴也氏、新渡戸文化小中学校・高等学校統括校長補佐の山藤旅聞氏の4名がリレートーク形式で講演しました。
各講演者の発表を受け、研究委員長を務める立教大学教授の阿部治氏が「環境教育やESDが法制化されるなど、全国的にSDGsへの認知が高まっています。日本の若者は環境問題の知識はあるけれど、社会参加力が弱いためまだ自分事へとできていない印象です。だからこそ、幼いころからの地域とのつながりが非常に重要。幼少期から社会的地位を持たせるスウェーデンの市民性教育から学んでいくべきだと考えます」と、今後の課題を述べました。その後、参加者による質疑応答と全体討論を実施。活発に意見が交わされ、岩本教授は「遠方の人とデジタルでつながり、コミュニケーションをとる機会ができたのは新たな展開。そこから実際に地域とどのようにかかわっていくのかがキーポイントとなるのでは」と提言しました。
※本セミナーは、一般社団法人 日本環境教育学会のYouTube公式チャンネル内の以下のサイト(外部リンク)で、ストリーミング配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=xziSObQX6ws