教養学部芸術学科では10月5日に湘南キャンパスで、公開研究会「カタルーニャ 現代音楽の現在」を開催しました。電子音響音楽が専門で本学科の檜垣智也准教授が企画したこの公開研究会は、スペイン・カタルーニャを拠点に活動する現代音楽演奏グループ「モルフォシス・アンサンブル」の芸術監督を務めるジョアン・バジェス・イ・ルビ氏から依頼を受け、学生らにカタルーニャの電子音響芸術に触れる機会を提供しようと開いたもの。学生や教員、地域住民ら約40名が来場しました。

3部制で開かれた当日は初めに、檜垣准教授が研究会の概要を紹介し、「演奏会では、聞いたことのないような音楽がたくさん聞こえてくると思いますが、それを含めて楽しんでもらえればと思います」とあいさつ。続いてルビ氏が第1部で披露する楽曲を紹介した後、モルフォシス・アンサンブルのシャビエル・ジェラベルト氏が自身が作曲した『Sleepless』を、ルビ氏がヨアキム・サンドグレン作曲の『ainsi formées』など計4曲を演奏しました。檜垣准教授の研究室に所属する学生たちが設営した14台のスピーカーから、環境音や楽器、声などを組み合わせた音楽が流れ、参加者は目を閉じて曲の世界観に浸っていました。第2部では、モルフォシス・アンサンブルと檜垣准教授、研究室の学生らが共同で即興演奏を披露。ルビ氏の指揮のもと、コンピュータやクラリネット、シンセサイザなど多様な音を重ね、ミキサーを担当した学生がスピーカーから流す音を調整して、約30分にわたって演奏しました。第3部のレクチャー・コンサート「形態論的作曲に向けて」ではルビ氏が講演。ルビ氏作曲の『IB:GOTA』など声を使った作品を披露し、楽譜も公開して作曲方法を解説しました。「私たちは録音と器楽の音の融合の可能性を研究しています。皆さんとアイデアを共有できたことをうれしく思います」と締めくくりました。
即興演奏でコンピュータを担当した尾藤仁香さん(3年次生)は、「楽器がメインだと感じた時には、事前に録音したクラリネットの低音を出して引き立たせようと心がけました。リハーサル・本番でそれぞれ違う仕上がりになり、正解がない即興演奏ならではの魅力を感じました」とコメント。檜垣准教授は、「学生がプロと同じステージで演奏する機会はなかなかないので、いい刺激になったのではないかと思います。今回の研究会が日本とスペイン、カタルーニャの音楽交流の足掛かりになれば」と語っていました。





