人間環境学科の岩本泰教授が7月14日に、付属福岡高校の教職員向け研修「SDGsを意識した探究学習の在り方」で講師を担当しました。同校では、探究的な学習のカリキュラムをSDGs教育とより関連づける内容としていくことを図っており、SDGsやESD(Education for Sustainable Development=持続可能な開発のための教育)が専門の岩本教授に講師の依頼がありました。
岩本教授は、教職員約60名を対象に講演しました。初めにSDGsの理念や一般市民への認知度、企業の取り組み事例などを解説したほか、同校と同じく教職員向け研修を実施した付属大阪仰星高校のSDGs教育について紹介し、授業の構成や生徒への指導方法を提案。「新しい学習活動と考えるのではなく、各教科におけるこれまでの学習単元内容をSDGsの理念と関連づけていくことを意識してください。高校でSDGsについて学ぶことは、生徒にとって卒業後社会に出た後も役立つ大きな経験となるでしょう」と語りかけました。また、当日は岩本教授のゼミで連携授業(エシカル消費論)を実施しているインテリアメーカーの株式会社イケヒコ・コーポレーション(福岡県三潴郡)品質管理部担当者を講師として招聘。県内で自社栽培しているい草をはじめ、オーガニックコットンなどを用いた商品展開など持続可能な社会の実現に向けた数々の取り組みが紹介されました。
研修を振り返り、「SDGsと聞くと世界規模の大きな話と思われがちですが、“グローカル”をキーワードに足元の地域課題が世界とどうつながっているかを意識し、少しずつ具体的なアクションにつなげていくことが第一歩。総合大学である東海大学には私のほかにも、ジェンダーや環境、海洋、エネルギーなどさまざまな専門家の教員が所属しているので、学園のスケールメリットを生かして高大連携に取り組んでいくことを期待しています」と語っています。