人間環境学科の北野教授の研究室が「名水水族館」を開催しました

教養学部人間環境学科の北野忠教授のゼミが、8月6日にクアーズテック秦野カルチャーホール(秦野市文化会館)で開かれた「第6回秦野名水フェスティバル~名水を科学する~」の一イベントとして、「名水水族館」を開催しました。名水フェスティバルは、秦野名水の魅力を発信することを目的に毎年8月に開かれているものです。

北野ゼミでは秦野市、平塚市などの行政や企業、有志団体と連携して、観察会や出前展示、調査結果の発表会などを実施し、湘南地域の自然の魅力や生き物を紹介する活動を続けています。今年度も昨年度に引き続き、秦野盆地から相模湾に注ぐ金目川や秦野の里地里山に生息する魚類やエビカニ、水生昆虫のほか、両生類や爬虫類といった水生生物を展示して、地域の自然環境の特徴や状況を紹介。また、水槽やガラスケースでの展示だけでなく、ウナギやカニなどの生き物に触れられる「タッチングプール」も設置し、学生たちが来場者に生き物の特徴や見分け方などを説明しました。さらに今回は、水生生物だけでなくムカデやヤスデをはじめとした土壌生物も展示し、種によっては紫外線を当てると発光する特徴などを紹介するとともに、顕微鏡を使って足や関節など細かな箇所まで観察できるようにしました。来場者した子どもやその保護者、地域住民からは、「展示パネルに生息している場所や特徴などが書かれていたので、実際に子どもと探しに行ってみようと思います」「近くの山や川にこんなにもたくさんの生き物がいてびっくりした」といった声が聞かれました。

北野教授は、「秦野市は里地里山が残っているため、神奈川県の中でも特に多くの生き物の生息が確認されています。近年は、子どもだけでなく大人も自然の生き物と接する機会が少ないので、見て触ることで身近な地域にこれだけたくさんの生き物がいることを知ってもらえたらと思います。また、学生たちは来場者への生き物の説明を通して、知識をアウトプットすることで自分の知識がどれくらいあるのか再確認ができたのでは」と語りました。

北野ゼミに所属する増田江里奈さん(4年次生)は、「土の中で暮らしている土壌生物は普段は中々目にすることがないと思い、展示を提案しました。足がたくさんあるといった理由などから気持ち悪いと嫌がられてしまうのでないかと不安な部分もありましたが、子どもたちから“光ってきれい”“かっこいい”といった声が聞けてうれしかったです。これをきっかけに身近に生息する生き物に少しでも関心を持ってもらいたい」と話しました。