芸術学科音楽学課程の田丸准教授が「令和4年度みなと区民大学 東海大学 ジャズを聴く~ハモンドオルガンの魅力に迫る~」を開きました

教養学部芸術学科音楽学課程の田丸智也准教授が高輪校舎で、11月16日と30日に「令和4年度みなと区民大学 東海大学 ジャズを聴く~ハモンドオルガンの魅力に迫る~」を開きました。公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団(Kissポート財団)が港区内で活躍する研究者らの成果・活動を区民に知ってもらうことを目的に毎年春と秋に、各大学と共同で開催している社会人講座です。田丸准教授は、みなと区民大学ジャズ講座講師を務めており、今回が7年目の実施となりました。

16日は、はじめにハモンドオルガンの生みの親であるアメリカ・イリノイ州出身の発明家ロ-レンス・ハモンドの生涯や発明品、音響メディアの変遷について説明。1934年にシンクロナス・モーターの技術を応用してハモンドオルガンのプロトタイプが製作された経緯を紹介するとともに、「オルガンは空気を送って動かす様子が人間の『臓器』の働きに似ていることから、ギリシャ語で臓器を指す『Organ』と名付けられました。精密な内部構造や仕組みを知り、よりいっそうハモンドオルガンやジャズの魅力を感じてください」と話しました。また、ハモンドオルガンとセットで使われる特殊なスピーカー「レスリースピーカー」の構造や仕組みについても解説。最後に、エセル・スミスやジミー・スミスといったハモンドオルガンの奏法・ジャズスタイルを確立した奏者による録音を鑑賞しました。

30日には、ハモンドオルガン奏者の金子雄太氏をゲストに招き、自身が所有するハモンドオルガン「ヴィンテージハモンドB-3」やレスリースピーカーについての説明や取り扱い、魅力などについて講演いただきました。金子氏はスティービー・ワンダーの「You are the sunshine of my life」とジェローム・カーンの「All the things you are」を演奏した後、田丸教授との対談を実施。楽器のバックパネルを外して内部構造を紹介しました。また、教会音楽や黒人音楽の要素など文化的側面にも触れながら、両手両足を使って演奏するハモンドオルガンならではの演奏方法を説明。最後には、金子氏のハモンドオルガンと田丸准教授のトランペットによるセッションとして、ジャズのスタンダードナンバー「Mack the Knife」を演奏しました。

本イベントをはじめ、これまで多くのジャズ関連企画を開催してきた田丸准教授は、「ハモンドオルガンの仕組みを座学で理解した上で、実物や生の音を聞きことで、よりジャズへの造形を深めてもらえたのではないかと思います。近年はイヤホンやヘッドフォンで音楽を聴く人が大半ですが、音楽は本来空気の振動を通して音を楽しむものです。楽器が奏でる生の音の魅力を知り、演奏会などに足を運んでもらえたらうれしい」と話していました。

田丸准教授の活動につきましては下記サイトを参照ください
https://www.tamarutomoya.com/