教養学部SOHUM公開イベント「エシカルファッションで社会を変える」を開催しました

東海大学教養学部SOHUM(※)「アースミュージアム」プロジェクトが11月8日、公開イベント「エシカルファッションで社会を変える~コットンから考える現地と日本での現状と取り組み~」を、独立行政法人国際協力機構(JICA)横浜国際センターで開催しました。この催しは、環境への負荷などに配慮した「エシカル(倫理的な)ファッション」の知識を深め、身近な暮らしから社会を変え、国際社会に貢献するためのヒントを学ぶために実施したものです。当日は、NPO法人ACE(エース)の子ども支援事業チーフ、インド・プロジェクトマネージャーの成田由香子氏と、フェアトレード専門ブランド「ピープル・ツリー」を手がける、フェアトレードカンパニー株式会社の鈴木史氏(企画・マーケティングシニアマネージャー)を講師に招き、講演やトークセッション、グループワークを実施。学生や教職員、ファッション関連企業の担当者など約40名が参加しました。

成田氏は「コットン生産での児童労働と私たちとのつながり~インドの現状と国際協力および日本での取り組み~」をテーマに講演。インドでは40万人以上の子どもが危険な農薬を使用しながらコットン畑で働いている現状を解説し、「すべての子どもたちに教育を受けさせることが目標です。そのためには、公立学校や教員を充足させるとともに、大人が安定した収入を得られるようにしなければならない」と語り、ACEがインドと日本で実施している具体的な取り組みについて説明しました。また、「企業によるエシカルファッションのソーシャルビジネスの現状と課題」と題して講演した鈴木氏は、フェアトレードによる衣類の企画、製造、販売について、インドやネパール、バングラデシュでの取り組みを紹介。「手織り、手編み、手刺しゅうといった、現地の人々が継続して続けられる手仕事を生かすことが大切」と語り、デザインと機能性にすぐれ、環境に配慮した価値の高い製品を作ることで途上国の人々に収入の機会を提供していることを語りました。

休憩後のトークセッションでは質疑応答や意見交換を行いました。参加者からの「文化や価値観の違う人々との交渉や、チームをまとめるために必要なことは何か」との質問に、講師からは、「お互いに理解し信頼し合えるまで、心を開いてねばり強く話し合うことが大切」とのアドバイスがありました。またグループワークでは、「エシカルファッションで社会を変えるために自分ができること」をテーマに、エシカルコンシューマー(倫理的な消費者)として何を基準に購買活動を行うべきかについてディスカッションしました。

参加した学生は、「エシカルファッションを通じて社会貢献をしたいと考えて勉強してきましたが、今日の講義で、途上国には深刻で根の深い問題が存在することをあらためて認識しました。グループワークでは、さまざまな考え方があるということに気づいたのが大きな収穫。今後は、より幅広い視点でエシカルファッションによる国際貢献について考えていきたい」と感想を語っていました。

※東海大学教養学部SOHUMプログラム
“SOHUM(ソヒューム)”とは、ソーシャル・ヒューマンウェアの略。教養学部の学生たちが専門能力を生かして協働しながら、それぞれが役割を担い、社会的な課題を解決する行動力を磨く教育プログラムです。社会を形成している基盤や仕組み、自らの技能や知識といったハードとソフトを動かすヒューマンウェア(=社会的役割を担う力)を、一人ひとりが身につけることを目標としています。

教養学部SOHUM公開イベント「エシカルファッションで社会を変える」を開催しました

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