理学部数学科と総務省統計局とのコラボ授業を行いました

教養学部芸術学科デザイン学課程では理学部数学科と共同で、秋セメスターで統計データを正しく読み解き、ビジュアル化してわかりやすく伝える「インフォグ ラフィック」を学ぶコラボレーション授業を開講しています。これは、本課程2年次生対象の「デジタルグラフィックデザイン」(担当:富田誠講師)と、数学 科3年次生対象の「確率統計演習B」(担当:山本義郎教授)の合同授業として昨年度から始まったもので、今セメスターでは約30名が受講しています。学生 たちは半期の授業を通して、教員や専門家から専門知識を学ぶほか、両学部の学生混合チームで実際に統計処理やビジュアル化に取り組み、最後にプレゼンテー ションを行います。今年度は総務省統計局の協力を得て、同局が発表する統計データを読み解いて視覚化する演習に取り組みます。今年度の第1回目となる9月 26日には、総務省統計局統計情報システム課の永井恵子課長補佐による講義とフリートークを行いました。

26日の授業では、はじめに富田講師がさまざまな形にデザインされたグラフや表を紹介しながら「インフォグラフィック」の意義を解説。「情報を視覚化して 正しくわかりやすく伝えることは、官公庁やジャーナリズム、研究機関など幅広い分野で求められています」と語りました。続いて永井課長補佐が、統計局で発 表している統計資料の種類やデータソースの入手方法、分析事例、新たな取り組みなどを紹介し、統計データから見えてくることについて解説しました。続いて 山本教授が、さまざまなパターンのグラフの種類とそれぞれの特徴を説明。グラフの作り方によって、見る人に間違った情報や極端な印象を与えてしまう事例を 紹介し、実際の数値をもとに正しく分析し、誤解を与えないように視覚化することの重要性を強調しました。さらに、永井課長補佐と同局の伊山遼氏を囲んでの フリートークも実施。学生たちは、統計局が作成する統計資料の意義や、国政にどのように生かされているかなどのほか、統計局の仕事に就いたきっかけや、や りがいなどについて講師に質問していました。

学生は、「永井課長補佐の話を聞いて、統計が身近に感じられるようになりました。さまざまな統計データに興味を持って今後の授業に臨みたい」「統計データ を視覚化することの重要性と大変さを認識しました」と感想を語っていました。富田講師は、「データを分析するデータサイエンティストとデザイナーのコラボ レーションは、情報をわかりやすく正確に伝えるために、今、最も求められていることです。学生たちにはどこまで面白い統計資料を作成できるかを追求してほ しい」と話しています。

理学部数学科と総務省統計局とのコラボ授業を行いました