シンポジウム「ワークショップを考える―博物館を感じるということ―」を開催しました

課程資格教育センターでは8月25日に神奈川県立歴史博物館で、特別展「明治150年記念 真明解・明治美術/増殖する新(ニュー)メディア―神奈川県立博物館50年の精華―」シンポジウム「ワークショップを考える―博物館を感じるということ―」を開催しました。近年、博物館施設などでは多種多様なワークショップが開催されていますが、その内容や効果については十分な分析がされておらず、フィードバックも不十分な事例が多いことから、その分析手法や目的を再確認しようと、神奈川県立歴史博物館との合同企画として実施。当日は地域住民や学芸員、本学の学生らが参加しました。

はじめに、岡山大学教授の山口健二氏が「ワークショップのタイポロジー」をテーマに講演。博物館や美術館を訪れる人には、「一般的(≒アマチュア的)な探求者」と「特殊(≒専門的)な探求者」がいると解説し、「博物館は多様なレディネス(rediness)を持った探求者に奉仕しなくてはなりません。博物館の教育普及活動を次のステージに進めるためには、どんな探求者を想定しているのか、どのような成長を期待しているのかを明確にすることが求められます」と語りました。続いて、国立民族学博物館准教授の広瀬浩二郎氏が「触発型ワークショップの展開」と題してこれまでに手がけてきた「触る展示」を紹介し、「能動性と双方向性がワークショップの大切なキーワードです。自分と向き合い、作品に触り、他者とのコミュニケーションを図る。それがこれからの博物館ワークショップに求められているのではないでしょうか」と話しました。続いて本センターの篠原聰准教授が、「博物館と大学でつくるワークショップ」をテーマに、2013年から実施してきた美術館でのインターンシップやユニバーサル・ミュージアムに関するシンポジウムなどを紹介し、「これまでは学生の学びを第一に考えて取り組んできましたが、今後はどうしたら来場者の満足につながるのか、もう一歩先のワークショップを考えていきたい」とコメント。その後、岡山大学教授の赤木里香子氏も交えて総合討議を実施し、会場に集まった学芸員らも自身の経験を語り、活発な意見交換を行いました。

また、特別展の関連イベントとして8月11日、12日、25日、26日には、同館で本センターの学芸員課程や教職課程の授業を履修している学生と教養学部芸術学科美術学課程の学生たちが中心となって企画・運営する子ども向けワークショップ「明治タイムトラベル!」を実施しました。参加者たちは特別展を見学しながら数種類の「ワークシート」に挑戦し、見学後は表紙に色を付けて完成させました。四辻彩香さん(美術学課程4年次生)は、「事前に学芸員の方に特別展を案内してもらい、シルエットクイズや、展示品の中から生き物を探すビンゴカードなどのワークシートを考えました。子どもたちには難しい展示かなと思いましたが、何枚ものワークシートを持って3時間も見学していた子もいるなど、楽しんでもらえてよかったです」と話していました。

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