『環境学習のラーニング・デザイン』(日本環境教育学会編)が刊行されました

教養学部人間環境学科自然環境課程の岩本泰准教授が、一般社団法人日本環境教育学会のメンバーとして共著した『環境学習のラーニング・デザイン-アクティブ・ラーニングで学ぶ持続可能な社会づくり』(日本環境教育学会編著、キーステージ21刊)が5月31日に刊行されました。日本環境教育学会に常設された学校環境教育研究会の研究成果をまとめたもので、環境教育や持続可能な社会づくりに関する多角的な視点と教育のノウハウを紹介する内容となっています。

全15章でまとめられた本書で、岩本准教授は第5章「二つの人口問題:過疎と過密」を担当しました。首都圏に人口が集中し過疎化が進んでいる地域がある中で、その地域を訪れる「交流人口」から「定住人口」をいかに増やすかという考え方から、近年はインターネットなどを通じたつながりの「関係人口」が将来の定住人口につながるという考えが広がっています。岩本准教授は、逗子市におけるふるさと納税の仕組みを活用した関係人口の創出について「同市では地場産品を提供するだけでなく、マリンスポーツなど体験型の返礼品を用意し、地域を訪れるきっかけづくりとしています」と紹介。「物やお金を介した関係は一時的なもの。今まで関係したことのなかった地域を訪ねるきっかけとして、逗子市の取り組みが関係人口の増加につながると考えました。また本章では、スライド資料作成におけるストーリーの組み立て方や、インターネット検索と資料への転載についての注意点を記載しており、学習活動で用いる資料を作成する際に、メディアリテラシーを意識してもらうことを目的としています。学びとは、対象や地域、年齢層などによって変化するので、章ごとに紹介されている事例や教育手法をそのまま活用すればいいというわけではありません。『自分だったらこう伝えよう』『この章の内容を、ほかの章で紹介されていた手法でプレゼンしよう』など、自由に組み合わせて授業をデザインしてもらいたい」と語っています。

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