人間環境学科の開講科目「エシカル消費論」で特別講義を実施しました

教養学部人間環境学科の開講科目「エシカル消費論」(担当=岩本泰教授)では7月4日と11日に、学外講師による特別講義を実施しました。この授業は、持続可能な社会づくりに向けて具体的な消費行動を構想する能力を養うことを目的としており、今回はい草製品・畳・こたつ・ラグ・寝具製品を中心にインテリア商品の開発・製造・企画・販売を展開する総合インテリアメーカーの株式会社イケヒコ・コーポレーションのスタッフが講師を務めました。

4日には同社の担当者がい草製品を紹介し、生活スタイルの変化に伴う畳の需要減少や、現代のライフスタイルに合わせた商品開発の事例を紹介しました。また、サプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れ)について、い草栽培や、染め、織りなどさまざまな専門の職人が携わっていることや、畳に代わる床材の台頭で市場が縮小している状況を説明。「産業を維持するためには国産だけでなく中国での生産も検討しなければ畳やい草の文化が維持できなくなる、という危惧と国産の縮小に拍車をかけるのでは、という葛藤のなかで手ごろな値段の実現はより多くの人の手に渡り結果として市場を残すことができると判断し中国に生産拠点を移しました」と経緯を解説し、「環境の変化を察知するために視野を広げ、新たなアイデアを企画し、やってみる勇気が必要です」と語りかけました。

11日は同社の担当者3名と、同社の商品「畳ヨガマット」を使用してヨガ教室を開いている橋口ひとみさんがオンラインで講議。橋口さんは、環境に配慮して作られている同社の商品の魅力や、環境保全を目的とした日々の生活における取り組みを紹介。続いて、前回授業の学生アンケートから、「持続可能なものづくりに関して実施していることは?」「染色プロセスが環境に与える影響と、最小限にするための取り組みは?」といった質問に同社担当者が回答しました。また、消費者とのつながりを目的とした「コネクト事業部」の活動として、商品の体験イベントやSNSの運用、ユーザーの声を反映した商品開発の事例などを紹介しました。