黒田学部長が大会会長を務めた日本磁気共鳴医学会とアジア磁気共鳴医学会の合同大会が開催されました

情報理工学部の黒田輝学部長が理事長を務める一般社団法人日本磁気共鳴医学会(JSMRM)とアジア磁気共鳴医学会(ASMRM)の合同大会(第49回日本磁気共鳴医学会大会ならびに第3回アジア磁気共鳴医学会学術大会)が、9月10日から12日までパシフィコ横浜ノースを会場にオンラインを併用して開催されました。

JSMRMは1981年に創立された核磁気共鳴(NMR)医学研究会が母体となり、磁気共鳴医学の発展のために1986年に設立されました。会員の専門分野は臨床医学、基礎医学、生物学、化学、物理学、工学といった広い範囲にわたり、現在の会員数は約3800名です。年に1回の学術大会のほか英文誌(インパクトファクター 2.471)ならびに季刊の和文誌を発行すると共に、MRIの安全性や運用に関するガイドラインの提供、スタディグループによる研究の充実、ならびにMRIに関する教育講座・講演会を定期的に開催しています。一方のASMRMは日本、中国、韓国をはじめとしたアジア諸国におけるこの分野の発展を目指し2018年度に設立されました。黒田学部長は2020年9月にJSMRMの理事長に、同年10月にASMRMの会長にそれぞれ就任。今回の合同大会では会長として運営の陣頭指揮に当たりました。また今回の合同大会の副会長は医学部専門診療学系画像診断学の丹羽徹教授が務めています。

「“Eternal Brilliance of MR”『MR永遠の輝き』」をテーマに開かれた合同大会では、初日の開会式で黒田学部長があいさつし、関係者への謝辞や各種講演への期待などとともに新型コロナウイルス感染症対策として今大会で導入した対面とオンラインのハイブリッド形式による学会運営やAIによる翻訳システムなどを紹介。「本学会が国内外の磁気共鳴医学の発展に貢献してきたことを大いに誇りに感じています。また、ASMRMはこの地域における医療、研究が興隆を極めてきた証であり、同大会を合同で開催することでアジア諸国の臨床や研究の益々の発展に貢献できると考えています」と語りました。

会期中は、丹羽教授の司会で医学部医学科専門診療学系画像診断学の今井裕教授による「我が国のMRI医療黎明期に考えていたこと」をテーマとした特別講演が開かれたほか、ASMRMとJSMRM、韓国磁気共鳴医学会の共催によるジョイントシンポジウム、本学会では初の試みとなるパルスシーケンスの設計に関する知識を若手研究者向けに実践的に講義するハンズオンセミナーなどを実施。各種シンポジウムでは、画像診断分野における最新の知見などが紹介される中、本学医学部付属病院の高度救急救命センターに国内では初めて導入された、X線CT装置、血管造影装置、MRI装置の3台を並列に設置する「MRXOシステム」について医学部の松前光紀副学部長が紹介しました。また記念品として抽選で配布されたレゴMRIは学会広報のTwitterにおいて1万以上の「いいね」を記録しました。

黒田学部長は、「新型コロナ禍による情報技術の急速な普及によって、学会開催の考え方はもはや感染対応ではなく、開催方法の最適化を行うという段階に至っています。今回の合同大会では研究情報の交換や議論といった大会の中核は対面を基本とし、移動の困難さなどさまざまな理由で現地に来られない方でも心おきなく参加できるようオンラインによる同時配信も併用しました。さらに各種教育講演やセミナーを含むほぼ全ての講演・ポスターは、繰り返し閲覧できるようオンデマンドによる配信も9月20日から10月21日まで実施しています。その中で、副会長を務めた丹羽教授をはじめとした医学部と情報理工学部の連携など学部の枠をこえた『オール東海』による研究力の高さを世界に発信する機会となりました」と、本学主催による成果を語っています。