海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究員で、プリンストン大学•米国海洋大気庁(NOAA)の客員研究員を務める、森岡氏を招いた講演会を実施しました

情報理工学部情報科学科では12月4日に、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究員でアメリカ・プリンストン大学•米国海洋大気庁(NOAA)の客員研究員を務める森岡優志氏を招いた講演会を実施しました。本学科の開講科目「情報技術論」の一環で、「情報」をテーマに多彩な分野で活躍する研究者らを招き、日頃学んでいる知識が社会でどのように活用されているのかを知ってもらうことを目的にしています。

森岡氏は自身の研究課題でもある「気候・海洋予測と社会への応用」をテーマに講演しました。近年、世界各地で発生した自然災害の事例を紹介したあと、実際の観測データやスーパーコンピュータの結果をもとに、今後予測される気候変動現象や科学技術の進歩について解説。「海洋調査では、発達を続けるロボット技術を駆使し、深海の調査も進むことが予想されています。シミュレーション技術においても、陸地や海洋、気候とこれまで別々に進めていた研究者間の協力が進み、より精度の高い成果が生まれると考えています」と語りました。また、「私たち研究者は、大気や海洋などの状態を観測し、スーパーコンピュータを用いて気候変動の仕組みを理解することで、さまざまな気候変動現象を予測していますが、これだけでは社会に貢献するには至りません。必要なことは、予測情報をよりわかりやすく多くの人に伝え、リスクを周知することです。その点においても、皆さんが大学で学んでいる情報技術は今後さらに不可欠なものになるでしょう」と話しました。

講演の合間や終了後には学生から「地球温暖化を解決するための理想像はありますか?」「テレビでもエルニーニョ現象やラニーニャ現象という言葉を耳にしますが、世界の気候に与える影響を教えてください」「日本とアメリカの大学で研究する際に感じた両国の大きな違いはありますか?」といった質問が多数寄せられ、森岡氏は図表なども示しながら丁寧に答えていました。

なお、同授業では12月11日にNASAゴッダード宇宙飛行センターの松井俊久氏が講演。18日には国立環境研究所のディエゴ・スィルバエラン氏が登壇する予定です。