情報科学科高雄研究室の学生が京都市の高齢者を対象にバーチャルリアリティーゲーム・ワークショップを行いました

情報理工学部情報科学科の高雄元晴教授の研究室が7月26日に、京都市にあるサービス付き高齢者向け住宅「グランメゾン迎賓館京都嵐山」で地域の高齢者を対象に「VR機器を使用した認知症予防の取り組み」と題したバーチャルリアリティー(VR)ゲーム・ワークショップを行いました。公益財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)地域産業活性化本部や京都市ライフイノベーション創出支援センター(本部:京都大学医学部)の支援のもと、情報理工学部情報科学科高雄研究室と京都市の大手不動産企業である株式会社ジェイ・エス・ビーとの共同プロジェクトとして実施したものです。このワークショップは学生が自作したVRゲームソフトを体験することで、高齢者の方々の認知機能低下を防ぐほか、楽しみながら無理なく運動してもらうことを目的としています。

当日は、高齢者の方たちをはじめ、ワークショップに関心を持つ地方公共団体や企業関係者、大学関係者、マスコミ関係者ら約20名が参加。高雄研究室の学生によるVRの説明に続いて、高齢者の認知機能を高めるために学生たちが作成した「巨大平面迷路」と自らが鳥となって巨大な空間を自由に飛び回る「立体迷路」、運動機能を高めるための「雪合戦」といったアプリケーションを参加者が実際に体験しました。参加者からは「VRそのものが初体験で、驚きの連続で楽しかった」といった意見が聞かれました。

迷路のアプリケーションを開発した石井亘さん(4年次生)は、「私が作った作品をご高齢の方に使っていただき、皆さんから好評を得たことはこれからの研究や開発に大きな励みとなりました。このワークショップで得た参加者の方々の感想をもとに、高齢者の方々がさらに使いやすく楽しめるアプリケーションを開発していければと考えています」と感想を述べていました。また雪合戦のアプリケーションを開発した神遼河さん(3年次生)は、「ご高齢の方が無理なく体を動かし、運動できるように考えてアプリケーションを開発しました。このワークショップの経験を生かして、これからもユーザの視点に立った設計ができるようなエンジニアとなるべく研鑽を積んでいきたいと思います」と話していました。

高雄教授は、「高齢者の認知・運動機能向上を目指したVRの利活用は世界的にもほとんどなされていません。私の研究室がこの分野のパイオニアになるために、高齢者の方々が無理なく継続的に楽しみ、心身ともに健康寿命を伸ばせるよう科学的エビデンス(根拠)に基づいたアプリケーションを学生たちとともに今後も企画・開発していく予定です。今後この効果について今後、定量・定性的に評価し、研究論文としてまとめていきます。なお、『グランメゾン迎賓館京都嵐山』は高齢者向け住宅として機能するのみならず、地域の高齢者の方々も集う一種の公民館としての機能を果たすべく運営されており、VRゲームが地域活性化にもつなげられるか検証することも可能です。またそのためにご高齢の方々に対する研究も併せて行っていく必要性があると考えています」と語っています。

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