大塚滋教授と池田良彦教授の退任記念講演会を開きました

法学部では2月25日に神奈川県厚木市のレンブラントホテルで、大塚滋教授と池田良彦教授の退任記念講演会を開催。教職員約20名が参加しました。大塚教授は、1985年に本学部の前身の法学研究所に着任。これまで法学部長、チャレンジセンター所長などを歴任してきました。池田教授は、90年に本学文明研究所に入職した後、2005年から現在まで本学のハラスメント防止人権委員会に携わり、08年から法学部の教授として学生の指導に当たってきました。

開会のあいさつでは塚本孝学部長が、「今年は本学部創設30周年にあたります。これは本学の建学の精神をあらためて思い起こすよい機会だと思います。この機会に、学問的なことはもちろんですが、私たちの参考になるお言葉を頂戴できれば幸いです」とあいさつしました。続いて大塚教授が登壇し、「学者としての自分を振り返ってみて」と題して講演。高校生の時に法学部を目指すことになったきっかけや大学生、大学院生時代の思い出、入り直した東京都立大学の大学院で出会った法哲学者・千葉正士博士とのエピソードなどを紹介。大学院生のころに高校の非常勤講師を務める中で、教員自身がその教科を楽しんで教えることが、よい授業をする上できわめて重要だと知ったことなどを語りました。その上で、「これまでの研究者人生は、思いがけない幸運と多くの方々の厚意によって成り立ってきたと思います。大学奉職中は、法学部だけでなく、現代文明論の担当教員として、またあるときは海外研修航海の団役員、チャレンジセンターの所長として多くの学生と知り合うことができたことに感謝しています」と語りました。

その後、池田教授が「東海大学法学部勤務を退くにあたって」と題して講演。83年3月に運輸関係業界の関係者や異分野の研究者と、航空機などで事故があった場合に人間の責任をどのように考えるかを研究する「航空運航システム研究会」を立ち上げたこと、国土交通省「先進安全自動車(ASV)推進検討委員会」への参画などこれまでの活動を紹介。事故発生時の対応として、事故の原因の究明と再発防止を重視する方向と、当事者の法的な責任追及を重視する方向が大まかにあるとしつつ、今の日本の問題点として「法的責任の追及を重視する傾向が強く、原因究明が充分になされないことがある」と指摘。「私の研究者としての原点は人間の不注意をどのように議論すべきかを考える点にあります。これからも、刑法の過失論との関係などについて考え続けていきたい」と語りました。

法hp報「退任講演会」 (1).jpg

法hp報「退任講演会」 (2).jpg

法hp報「退任講演会」 (3).jpg