文学部文明学科では、3月11日(土)に、オンライン(Zoom)で、講演会 ―シリーズ 国家・自然・人間― 第2回「『レジリエンス史観』から考えるアンデス先住民社会」を開催します。

[シリーズの趣旨]
 近代国家・資本主義は、ヨーロッパ社会の歴史の中で生成され、その影響のもとで世界中を覆い尽くしました。その歴史において、自然は軽視・排除・否定され、開発・発展・工業化・文明化・都市化が競覇性を伴いながら進み、それが経済力にも変換されて国家・社会の優劣の観念すら生み出してきました。その結果、我々の生きる地球という舞台・自然は、深刻な問題に直面しています。
 我々現代人の多くは、自然性が排除された都市の中で過ごしており、自然と人間の関係を正面から見つめる機会は限られています。こうした問題意識のもとで、経験豊富なフィールド・ワーカーを講師としてお招きし、大地とともに生きる世界各地の人々・社会に触れ、その声に耳を傾ける機会を設けました。第2回目は、文化人類学者の稲村哲也氏(放送大学名誉教授)より、中東・北アフリカの牧民社会等についてお話しをうかがいます。多くの方々のご参加をお待ち申し上げます。

[講演概要]
 東日本大震災と福島原発事故、地球温暖化と気象災害、COVID19パンデミック、そして、ロシアによるウクライナ侵攻と、私たちは困難な時代を生きています。このような地球規模の課題を前にして、「私たちはどこから来たのか、私たちは何者なのか」を知ることへの関心が高まっています。人間と社会を研究対象としてきた人類学から現代社会に何が発信できるのでしょうか。このような問題意識のもとで、講師の稲村先生は、レジリエンス(「危機を生きぬく知」と定義)の観点から、2022年に『レジリエンス人類史』(稲村哲也・山極壽一・阿部健一・清水展編、京都大学学術出版会刊)を刊行されています。この講演会では、その内容に基づき、人類史・文明史を簡潔に振り返ると共に、アンデス先住民社会の文化を題材に、人と自然や国家との関係をレジリエンスの観点から考えます。

【企画名称】
  文学部「知のコスモス」 第30回(旧「知のコスモス」から通算第383回)
  講演会 ―シリーズ 国家・自然・人間― 第2回
   「『レジリエンス史観』から考えるアンデス先住民社会」
【講師】
  稲村 哲也 氏(放送大学名誉教授、文化人類学者)
【日時】
  2023年3月11日(土)13:30~15:30
【会場】
  オンライン開催(Zoom)
【参加条件】
  どなたでもご参加いただけます(参加費無料、事前予約・申込不要)。
【参加方法】
  下記URLよりご参加下さい。
  https://us02web.zoom.us/j/89463620847?pwd=UzRjTDMvZm8yeDhEeGVLbVZTcmI1QT09
  ミーティングID: 894 6362 0847
  パスコード: 755031
  [参加時に氏名・所属をご入力願います。例:丹沢一郎(一般)/(○○大学)等]
【主催】
  文学部文明学科
【本件に関するお問い合わせ】
  文学部文明学科第7研究室 大平秀一
  odaira#tsc.u-tokai.ac.jp(# → @へ)