医学部付属八王子病院が手術支援ロボット「hinotori™(ヒノトリ)」を用いた胃切除術の見学施設に認定されました

医学部付属八王子病院がこのほど、手術支援ロボット「hinotori™(ヒノトリ)」を用いた消化器外科手術(胃切除術)の症例見学施設として認定され、8月から同手術の資格取得を目指す医師の見学の受付を開始ました。高度な専門知識と技術を有するロボット支援手術プロクター(指導医)と看護師、臨床工学技士らによる医療チームによって、hinotori™を用いた手術が安全かつ適切に遂行される体制や環境が整っている医療機関が認定されており、東京都では2施設目となります。

ロボット支援手術は、従来の開腹手術や腹腔鏡下手術と比べて体への負担が少なく、より精密で安全な手術が可能な先進的医療として普及が進んでいます。この手術を行う医師は、一般社団法人日本内視鏡外科学会の指針で示されたトレーニングを受けた「認定術者」の資格取得が必要であり、そのためのトレーニングとして機種・術式ごとに症例見学認定施設における手術見学が義務付けられています。

医学部付属八王子病院が導入したhinotori™とDaVinci(ダヴィンチ:伊勢原市の医学部付属病院で導入済み)の2機種を用いた胃切除術のプロクターで、今回の認定申請を中心になって進めてきた消化器外科の鍋島一仁教授(診療協力部長)は、「昨年8月に本病院でhinotori™を使った胃切除術の1例目を実施して以降、30名を超える患者さんに適用し、安定した治療成績を重ねています。今回の症例見学施設の認定は、病院全体の体制をはじめ手術スタッフのスキルやチーム力が評価された証であり、スタッフの意識もさらに高まったと感じています」と語ります。

「本病院の消化器外科を受診する患者さんの約半数は80歳以上です。体への負担が少ないロボット支援手術は高齢者にも適用できる可能性が高いため、健康寿命の延伸にも貢献できると期待されています。超高齢社会や人口減少が進む中、外科医や手術スタッフの育成は喫緊の課題であり、一人でも多くの医師に技術やノウハウを学んでもらい、症例見学認定施設としての責任を果たしたいと考えています。今後もhinotori™を用いた適切な手術を実施するとともに、ロボットによる遠隔手術の可能性も追究するなど、よりよい医療の提供を目指して努力していきます」と話しています。