
伊勢原キャンパスの医学部付属病院難病治療研究センターでは2月18日に、「難病治療の新しい動向―難病講座①―」を開催しました。神奈川県の「難病医療連携拠点病院」に指定されている当院では、本センターが中心となって難病の治療に関する研究を推進するとともに、患者や家族の医療相談や医療従事者の研修などに取り組んでいます。この講座はその一環で、治療や療養に役立つ最新情報の提供を目的に実施しているものです。今回は、循環器疾患を取り上げ、「息切れに潜む難病、難しい病気を分かりやすく」をテーマに企画。患者や家族、医療従事者ら多数が参加しました。
初めに、循環器疾患センターの伊苅裕二センター長(循環器内科診療科長、医学部医学科教授)があいさつに立ち、「今日は、心臓に関する2つの難病について説明します。日々進化する循環器疾患の診断・治療法について皆さんと共有したいと思います」と述べました。
続いて、当院循環器内科の中村則人医師(医学部医学科講師)が、「慢性血栓塞栓性肺高血圧症」(CTEPH)について講演。初期症状として現れる「息切れ」の注意すべきポイントや代表的な疾患、CTEPHの概要や診断法、薬とカテーテル、手術による治療について説明しました。また、細い血管の血栓を除去するために日本で発展し、当院循環器内科が牽引している「経皮的肺動脈バルーン形成術」などのカテーテル治療の歴史や特長についても解説し、「CTEPHは一生付き合わなければならない病気です。地域の医療機関などと連携し、患者さんの生活と治療の両立を目指してしっかりとフォローしていきます」と語りました。


榊原記念病院循環器内科部長の髙見澤格氏は、心筋が肥大して心機能が低下し、時に突然死や脳梗塞を引き起こす「肥大型心筋症」の原因や症状、診断のポイントを説明。薬や心筋の切除術・カテーテル治療、ペースメーカーの植え込みといった、血液を全身に供給する左心室の閉塞を改善するための治療法について解説しました。さらに、速歩や軽いジョギングなどの適度な有酸素運動の有用性と、日常生活上の留意点を説明し、「適切な診断・治療により、病気でない人と変わらない予後が期待できる疾患であり、病状に合わせた積極的な診療が望まれます」と話しました。会場からは、多くの質問が寄せられました。
最後に、伊苅センター長が参加者への謝辞を述べ、「今後も診療科と多職種が連携し、患者さんの状況に応じた適切な治療を提供できるよう努めてまいります」と結びました。
【開会の言葉】
伊苅裕二教授(医学部付属病院循環器疾患センター長)
【講演1】
座長:上岡智彦講師(医学部付属病院循環器内科)
演者:中村則人講師(同上)
テーマ:「長引く息切れの裏に潜む病気―『慢性血栓塞栓性肺高血圧症』のお話」
【講演2】
座長:大野洋平准教授(同上)
演者:髙見澤格氏(公益財団法人榊原記念財団附属榊原記念病院循環器内科部長、
肥大型心筋症センター副センター長)
テーマ:「肥大型心筋症と上手につきあうために:治療のポイントと日々の過ごし方」
【閉会の言葉】
伊苅裕二教授