東海大学総合医学研究所が3月4日に伊勢原キャンパスで、「第19回公開研究報告会」を開催しました。本研究所は、基礎医学研究の成果を新技術の開発や臨床への応用に生かし、総合的な医学の発展に寄与することを目的として1980年に創設。「ゲノム多様性解析」「再生医学」「脳・神経疾患」「ライフケア」「代謝システム医学」「発生工学・疾患モデル動物」の6部門について研究し、国内外から注目される成果を発表してきました。現在は専任教員と本学医学部の教員、計13名が所員として研究に取り組むとともに、若手研究者の育成や生命科学・理工学系学部との連携を推進し、医科学研究のさらなる活性化を図っています。今年度最後となった本報告会では8テーマについて成果を発表し、学生や大学院生、教職員ら約60名が聴講しました。
はじめに瀧澤俊也所長(医学部教授)が登壇。「1年を締めくくる研究報告会です。活発に議論していただき、来年度以降の研究につなげてほしいと思います」とあいさつしました。続いて本研究所に所属する8名の研究者が最新の成果を報告し、各発表について活発な質疑応答や意見交換を行いました。終了後には会場を移して情報交換会を実施し、研究の詳細や今後の展開、臨床への応用などについて熱心にディスカッションしていました。
なお、当日の発表者とテーマは下記のとおりです。
◇今西 規【ゲノム多様性解析部門】(基礎医学系分子生命科学 教授)
「個人ゲノム情報を用いた疾患リスク予測の現状」
◇岡 晃【ゲノム多様性解析部門】(総合医学研究所 講師)
「全身性強皮症の感受性遺伝子」
◇緒方 洵【再生医学部門】(基盤診療学系病理診断学 大学院医学研究科先端医科学専攻)
「EBV感染リンパ腫細胞から同定された新規小分子RNAとその生成機構」
◇大塚正人【発生工学・疾患モデル動物部門】(基礎医学系分子生命科学 准教授)
「長い1本鎖DNAを用いた高効率遺伝子ノックイン法」
◇本島 英【代謝システム医学部門】(基盤診療学系臨床薬理学 講師)
「Foxc転写因子は腎ポドサイトの機能維持に必須である」
◇石井恭正【ライフケア部門】(基礎医学系分子生命科学 講師)
「老化促進因子をプリムローズ症候群から探る」
◇後藤信哉【代謝システム医学部門】(内科学系循環器内科学 教授)
「スーパーコンピューターと分子動力学計算による蛋白高次構造の動的予測」
◇安藤 潔【再生医学部門】(内科学系血液・腫瘍内科学 教授)
「新たな造血再生促進薬の開発」