総合医学研究所が第23回公開研究報告会を開催しました

東海大学総合医学研究所が3月6日に伊勢原キャンパスで、「第23回公開研究報告会」を開催しました。この報告会は、本研究所の所員が1年間の研究成果を発表・共有するために毎年同時期に実施しているものです。今回は8名が発表し、教職員や大学院生ら約70名が聴講しました。なお、当日は新型コロナウイルス予防のため、手指の消毒や室内の換気といった感染症対策を徹底して実施しました。

本研究所は、基礎医学研究の成果を新技術の開発や臨床に生かし、総合的な医学の発展に寄与することを目的として1980年に創設。国内外から注目される多くの研究成果を発表しています。現在は、本学医学部の教員を兼務する研究者と専任研究者からなる18名(オブザーバーの特任教授1名を含む)の所員を中心に、「再生医学」「ゲノム医学」「創薬」「血液・腫瘍学」「肝臓・腎臓病学」の5部門に関する研究に従事。学内の医学系・生命科学系・理工学系学部や研究機関との連携、若手研究者の育成を推進し、医科学研究のさらなる活性化を図っています。

報告会では、はじめに本研究所の安藤潔所長(内科学系血液・腫瘍内科学教授)が登壇。「今回は、特別研究員制度により登用された若手研究者と今年度のコアプロジェクトの研究者、特に顕著な成果を上げた研究者に発表してもらいます。活発に意見を交わし、今後の研究に生かしてください」とあいさつしました。

続いて8名の研究者が、所内の研究者や生命科学統合支援センターの技術職員、先進生命科学研究所、ナイクロ・ナノ研究開発センターの研究者らと連携した最新の研究成果を報告。各発表後には、研究の手法や今後の展開、臨床への応用などについて意見を交わしました。最後に松阪泰二次長(基礎医学系生体構造機能学教授)が、「素晴らしい発表に感銘を受けました。活発なディスカッションが各研究の充実につながると期待しています。今後も所員同士や関係機関と連携協力し、東海大学の医科学研究をさらに発展させましょう」と語りました。

なお、当日の発表者とテーマは下記のとおりです。(発表順)
◇関根佳織【再生医療学研究部門】(基礎医学系生体構造機能学講師/特別研究所員)
「重症心不全に対する細胞シート移植による再生環境細胞治療の確立」
◇上田真保子【ゲノム解析研究部門】(基礎医学系分子生命科学奨励研究員)
(プロジェクトリーダー:中川草 基礎医学系分子生命科学講師/特別研究所員)
「哺乳類ゲノムに存在するレトロウイルス様タンパク質をコードする配列の比較ゲノム進化解析」
◇長谷川正徳【創薬・病態解析研究部門】(外科学系泌尿器科学講師/特別研究所員)
「フェロトーシス誘導による泌尿器がんへの新規治療戦略」
◇川島雅晴(東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科 大学院生)
(※2019年度コアプロジェクト
プロジェクトリーダー:幸谷愛 血液・腫瘍学研究部門/基礎医学系生体防御学教授)
「ホジキンリンパ腫におけるトロゴサイトーシスを介した単球のPD-L1/L2誘導」
◇後藤信哉【創薬・病態解析研究部門】(内科学系循環器内科学教授)
「人工知能の医療応用―時系列の検査データからの未来の臨床イベント予測」
◇松阪泰二【肝臓・腎臓病学研究部門】(基礎医学系生体構造機能学教授)
「たこ足細胞(ポドサイト)の傷害に起因する腎不全」
◇八幡 崇【血液・腫瘍学研究部門】(基盤診療学系先端医療科学准教授)
「PAI-1パラドックスを標的とした複合的がん免疫療法の確立」
◇永田栄一郎【再生医療学研究部門】(内科学系神経内科学教授)
「もやもや病の病態解明―内科的治療への挑戦」

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