医学部医学科が新入生研修会を実施しました

医学部医学科では4月5日、6日に伊勢原キャンパスで、新入生研修会を実施しました。学生同士や教職員との共同体験を通して大学生活への意欲を高め、学習目標を設定する機会としてもらうために企画しているものです。当日は、手指消毒やマスクの着用、三密を避けるといった感染対策を徹底。新入生と教職員が、グループワークなどを通じて交流しました。

初日は、懇話会(学習をともにするグループ)の指導教員の紹介や自己紹介に続き、12のグループに分かれて「これからの医学・医療に求められること」をテーマに討論。合間には医学科の教員らによる講演も行いました。豊田雅夫准教授(内科学系腎・代謝内科学)は、自身が治療を担当し、現在は病気をコントロールしながら医学部付属病院でチームの一員として働く看護師とともに登壇。同看護師は病気と向き合いながら自立するまでの心の動きについて語り、豊田准教授は医師として支えた日々を振り返って、「医師と患者さんはパートナー。医師の言動が患者さんの人生や未来にかかわることを意識し、コミュニケーションを大切にしてください」と語りかけました。竹下啓教授(基盤診療学系医療倫理学)は、医師の社会的責任や守秘義務などの守るべきルールについて説明し、「医学生にも医師に準じた行動規範が求められます。本学医学科の学生として責任ある行動をとってほしい」と述べました。

2日目は懇話会別に討論会の成果を発表。学生たちは、「AIの活用」「グローバル化への対応」「在宅医療」「患者とのコミュニケーション」「予防医学」といった幅広い視点で討論した結果を報告し、活発な質疑応答を交わしました。講評では、メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原教育計画部)の濵田昌史部長(専門診療学系耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授)が、「発表を聞いて感銘を受けました。皆さんは、問題を適確に把握してしっかりと議論する能力を有し、気力とエネルギーにあふれています。情熱を保って学び続けてほしい」と激励しました。1年次生指導教員の谷口俊恭教授(基礎医学系分子生命科学)は、「重要なテーマに真摯に取り組んでくれたことをうれしく思います。困難なミッションを遂行することこそが人生の醍醐味であり、皆さんにはそれができると信じています」と期待を語りました。

最後に、浅井さとみ准教授(基盤診療学系臨床検査学)が感染症対策の重要性を訴え、正しいサージカルマスクの着脱法や手指消毒の方法について、実践を交えながら解説。沖将行准教授(総合診療学系総合内科学)は、新型コロナウイルス感染症に関する知見や治療について説明し、「未知の病にも対応できる医療人材を目指してほしい」と語りました。

学生たちは、「懇話会の先生の適切なアドバイスもあって、活発な議論ができました。異なる意見に耳を傾け、物事を多角的にみる大切さを学びました」「プロフェッショナルとは何か、医師として医療者としてどうあるべきかを真剣に考える機会になりました。語り合える仲間ができたこともうれしい。切磋琢磨しながら“良医”を目指して学んでいきたい」などと意欲を見せていました。