伊勢原キャンパスの学生団体「ライフサポート部」の6名が、9月14日に東京医科大学で開催された「第11回全国医学生BLS選手権大会」に参加。同じ大学の学生3名による「大学間対抗戦」と、他大学の学生との混成による3名で臨む「混合チーム戦」に出場し、竹腰亮汰さん(医学部医学科3年次生)が「混合チーム戦」で5位に入賞しました。この大会は、医学生の心肺蘇生法を含めた一次救命処置(BLS)の知識・技術の向上を目的に、日本救急医学会が2015年から実施しているものです。今回は50大学から253名が参加し、技術を競いました。

大会ではモデル人形を使い、心肺停止状態で倒れている人の発見から周囲への協力依頼、119番通報、胸骨圧迫、人工呼吸、AED(自動体外式除細動器)の使用といった一連のBLSが、正確・適切に行われるかが審査されます。竹腰さんは、「会場で初めて顔を合わせた学生と臨む混合チーム戦はより実践に近く、挑戦しがいがあります。当日はしっかりとコミュニケーションを取り、一つひとつの処置を基本に忠実かつ迅速・確実に行うことを意識しました。結果は5位でしたが、チームで協力して納得できる処置ができたと感じています」と振り返ります。
ライフサポート部は、アメリカ心臓協会による国際資格「BLSプロバイダー」「ACLS(二次救命処置)プロバイダー」の取得を目指す学生サークルとして2022年に発足。伊勢原キャンパスで学ぶ医学部医学科と看護学科、工学部医用生体工学科の学生約40名が、山門一平助教(医学部医学科基礎医学系医学教育学領域)の指導の下、1号館のスキルクリニック(臨床技能訓練センター)で練習に取り組んでいます。現在は、プロバイダーの上位資格である「BLSインストラクター」を3名、「ACLSインストラクター」を2名が取得しており、資格取得者と上級生も下級生を指導しています。今年2月には、付属高輪台高校の生徒を対象としたBLS講習会を企画・運営し、その成果を10月18日に長崎大学病院で開催された「第10回日本救護救急学会学術集会」で発表するなど、活動の幅を広げています。
BLSプロバイダー資格を有し、部の副代表を務める竹腰さんは、「大会への出場は、基本に立ち返ってBLSを学び直すとともに、知識と技術をブラッシュアップする機会にもなっています。他大学の学生とのネットワークも広がり、日本救急医学会の学生・研修医部会(SMAQ)の活動にも参画するようになりました。救命に関する知識と技術を患者さんのために役立てるという最終目標に向けて、さらに努力を続けます」と意欲を話し、山門助教は、「実際の医療現場をはじめ多様な場面でチームをリードするとともに、世界を牽引する医療者に育ってほしい」と期待を語っています。


