東海大学看護研究会が「第10回学術集会」をオンラインで開催しました

東海大学看護研究会が9月19日に、「第10回学術集会」を開催しました。本研究会は、学校法人東海大学の看護教育機関である健康科学部看護学科(現・医学部看護学科)、医療技術短期大学と、卒業生の多くが勤務する医学部付属4病院(付属病院、東京病院、大磯病院、八王子病院)の教員や看護職者が、連携の促進と学園全体の看護の質向上を図るため2011年度に創設。16年度からは看護師キャリア支援センターの教職員も加わり、毎年学術集会を開いています。今回は医学部看護学科が事務局を務め、「看護のちからとなるもの」をテーマに実施。新型コロナウイルス感染症対策のためオンラインで会員限定とし、約250名が参加しました。

初めに、大会長を務めた医学部の城生弘美副学部長が登壇。「昨年はナイチンゲール生誕200年、『看護の日・看護週間』制定30周年で、本学術集会も10回目の節目となる予定でした。残念ながら新型コロナの影響により中止となりましたが、収束の目途が立たない中で奮戦し続ける看護師の姿を見て、この状況だからこそ昨年度に企画していた『看護のちから』をテーマに開催しようと考えました。看護職者に対する社会の期待はさらに高まっています。この会が今後の看護のあり方を考える機会になるとともに、皆さんの看護の原動力となることを願っています」とあいさつしました。

前半は会員6名が研究成果を発表し、活発な質疑応答や意見交換を行いました。休憩をはさんで、認定NPO法人マギーズ東京・共同代表理事の秋山正子氏が「看護のちからとなるもの~つぶやき続ける勇気を~」と題して基調講演しました。秋山氏は、訪問看護を始めた背景や、団地の商店街に設置した「暮らしの保健室」、看護小規模多機能型居宅介護「坂町ミモザの家」をはじめとする多彩な活動を紹介。さらに、1996年にイギリスで生まれたがん患者らの支援団体「マギーズキャンサーケアリングセンター」の初めての国内組織として2016年に設立された「マギーズ東京」の理念や取り組みについても説明し、「住み慣れたまちで健やかに暮らし、安らかに逝くためには、予防から看取りまでを担う看護の役割が重要」と語りました

「看護の原動力をみつめて」と題したシンポジウムでは4名が講演。医療技術短期大学の1期生で全国訪問ボランティアナースの会「キャンナス」代表を務める菅原由美氏、助産師で「ララアース」代表の小笠原絢子氏、がん看護専門看護師として医学部付属病院に勤務する大塚敦子氏、急性・重症患者看護専門看護師でNTT 東日本関東病院副看護部長を務める木下佳子氏が、それぞれの経験や独自の活動について紹介し、看護の原動力について語りました。

最後に、来年度の学術集会で事務局を担当する付属八王子病院の伊藤由美子看護部長が、「講師の皆さんの話から、経験によって培われた生きる姿勢が看護師としての多彩な活動につながっていると感じ、感銘を受けました。来年度は看護職の働き方をテーマに企画しています。充実した会になるようご協力をお願いします」と閉会の言葉を述べました。