医学部医学科の学生が「デンマーク医療福祉研修」に参加しました

医学部医学科の学生が2月26日から3月5日まで、「デンマーク医療福祉研修」に参加しました。この研修は、デンマークの医療福祉制度の学びを通して日本の医療政策や社会保障制度の強みと目指すべき方向性を考察するとともに、グローバルな視点を養うことを目的として、同国にある東海大学ヨーロッパ学術センターを拠点に実施しています。新型コロナウイルス感染症の影響により4年ぶりの現地開催となった今回は、2、3年次生12名が参加しました。

学生たちは、国立血清研究所のバイオバンクや医学博物館を見学。一次医療を担う地域のクリニック(GP)やその組合組織(PLO)を訪問し、家庭医の役割やデンマークの医療制度について学びました。また、本学科との交換留学制度を設けているコペンハーゲン大学では、留学経験のある大学院生や留学予定の学生らと交流。キャンパスを見学し、バイオテックリサーチ&イノベーションセンターではデンマークにおける医科学研究や大学院制度に関するレクチャーを受けました。さらに、最先端医療機器のトレーニング施設を備えた教育研究機関(CAMES)も見学しました。

石黒雄大さん(2年次生)は、「異なる文化や価値観、倫理観を持つ国の社会システムを、医療福祉の視点から幅広く学びたい」と考えて参加。「特に『労働と雇用』に注目し、事前学習をして臨みましたが、社会資源の効果的な再配分がワークライフバランスや高医療福祉に貢献していることをあらためて認識しました。また、ヨーロッパ学術センターの方々と両国の医療や教育について語り合えたことも、今後の学修への刺激になりました」と振り返っていました。

宮原葵さん(3年次生)は、「自分の健康を自分で維持・増進する自己責任が求められ、病院で簡単に診察を受けられない制度は、一見すると厳しいように思えますが、家族関係から既往、現状に至るまでを把握している家庭医にいつでも相談できるシステムは、患者さんにとって大変有効だと感じました。この学びを糧に、患者さんの背景や思いを理解し、共に治療法を選択できる医師を目指して勉学に励みます」と意欲を語っていました。 国際交流委員長で、本研修を企画・指導した加藤裕幸准教授(外科学系整形外科学領域)は、「学生たちはそれぞれに課題を持って臨み、各施設で積極的に質問するなど熱心に取り組んでいました。実際に見聞することで事前学習での学びを深め、デンマークと日本の医療福祉制度の長所や課題について新たな気付きを得られたと思います。本研修は、医学科がコンピテンシーとして掲げる『グローバルな視点』を涵養するためのプログラムの一つです。今後も、学生たちに充実した学びを提供できるよう努めていきます」と話しています。