医学部医学科の学生と卒業生が「マヒドン王子記念賞国際会議2024」のラポーターを務めました

医学部医学科の3年次生3名と卒業生1名が、1月22日から27日までタイ・バンコクで開催された「2024年マヒドン王子記念賞国際会議」(Prince Mahidol Award Conference2024=PMAC 主催:タイ国政府、マヒドン王子記念賞財団 共催:世界保健機関(WHO)、世界銀行、独立行政法人国際協力機構(JICA)、ロックフェラー財団、ビル&メリンダ・ゲイツ財団ほか)に参加。各国の医師らと数名のチームを組み、講演などの議事録やサマリーを作成するラポーターを務めました。また、学生たちはPMACが企画した3つのフィールドトリップの1つに参加し、住民と外国人労働者に公平な教育や医療を提供するための地域の取り組みを学びました。

PMACは、国際社会における保健関連の重要な課題の解決に向けて議論する国際会議です。今回は、「複合的な危機の時代における地政学、人間の安全保障、健康の公平性」をテーマに講演やシンポジウムが行われ、WHOや世界銀行をはじめ、各国の政府関係者、研究者、市民団体の代表者らが参加しました。

昨年に続きラポーターを務めた古川遼さんは、「担当した『経済と開発援助』に関するセッションでは、援助する側と受ける側の関係性や継続性についての討議を通じて、大切なのは人材や組織などのヒューマンリソースであると感じました。前回の経験を生かして積極的に臨みましたが、今回も情熱的に取り組むタイの医学生から刺激を受け、貪欲に学び、吸収する姿勢を持ち続けたいとの思いを強くしました。後輩にもぜひ参加してほしい」とコメント。

梨本尚さんは、「性別とセクシャリティーに関する偏見の克服や包括性の促進がテーマのセッションを担当し、ダイバーシティー&インクルージョンの重要性をあらためて認識しました。国際会議とフィールドトリップを通じて、各国の政治、経済分野のリーダーや多くの研究者と接して世界に視野を向ける大切さを実感したほか、ラポーターの仲間と語り合う中で課題を発信する意義にも気付けました。よい臨床医になるのはもちろん、世界の公衆衛生の向上に貢献できる医師になるという目標ができました」と振り返りました。

今回のテーマのキーワードとなった地政学に興味があったという長岡英史さんは、途上国に対する医薬品供給の不平等に関するセッションを担当。「国際会議を通じてパンデミックの解決策を導こうとする過程を体験できました。出会った医学生とは医師になってからも情報交換や共同研究ができるよう、交流を続けたい。信頼される医師になるのとともに国際感覚も身に付け、国際保健に貢献できるよう努力します」と意欲を見せていました。

救命救急医療の専門医として国内外で活動し、保健所長として新型コロナ対策にも取り組んだ経験を持つ卒業生の岡田まゆみさんは、「PMACは、学生たちが世界の保健医療の潮流を学ぶとともに、日本の現状や課題を認識する機会にもなっていると思います。『東海大学医学部』を国内外にアピールするためにも、学生には継続して参加してほしい」と語りました。

指導する木ノ上高章准教授は、「PMACへの学生の参加は、過去に本学がWHOと連携し、JICAの支援を受けて展開していた『東海大学 21世紀保健指導者養成コース』などを通じたJICAと本学との関係から得られています。学生たちはしっかりと務めを果たし、関係者から高い評価をいただきました。国際会議の運営を支え、世界的な議論に参加することは、学修へのモチベーションを高めるよい刺激になったと思います」と話していました。