「大磯アンチロコモ教室」大測定会を学生がサポートしました

東海大学が経済産業省の委託事業「平成27年度健康寿命延伸産業創出推進事業」の一環として、ロコモティブシンドローム(※)対策を目的に神奈川県大磯町、株式会社アルケアと連携して実施している健康寿命延伸事業「おおいそアンチロコモ教室」の2018年度大測定会を、6月13、14日に神奈川県大磯町内で実施しました。本事業では、15年から産官学連携の取り組みとして同町内で活動を展開。初回の大測定会で運動器機能を測定し、「ロコミル」(ロコモ度テスト、下肢筋力測定、握力測定)を7月から来年2月まで定期的に開催し、ロコモのリスクが高いと判定された地域住民らを対象に「おおいそアンチロコモ教室」を月に一度開催。健康運動指導士や学生がサポートしながら、測定の際に指導された体操や運動指導を行い、11月に実施する大測定会で各自、体力の変化について報告してもらいます。

大測定会には、アルケアの健康運動指導士とともに、体育学部生涯スポーツ学科の野坂俊弥教授と、体育学部、大学院体育学研究科の学生計29名が運営スタッフとして参加。そのうち学部1年次生は、発展教養科目の「生涯スポーツボランティア実習」の一環として参加しました。2日間で64名の地域住民が訪れ、学生たちが医療機器・材料メーカーであるアルケアの測定機器などを用いて参加者の骨密度や歩行能力、下肢筋力などを計測。一人ひとりのレベルに合わせた体操やストレッチをレクチャーしました。

学生代表の黒田眞穂さん(生涯スポーツ学科4年次生)は、「測定会の前には使用する機器の使い方などを学ぶ事前研修があるのですが、操作方法だけではなく、測定される数値の見方や参加者への声のかけ方なども健康運動指導士の方から教えていただきました。健康運動指導士の資格取得を目指しているので、一緒に活動することでとても勉強になります」と語ります。また、今回初めて参加した久門優さん(体育学研究科1年次生)は、「普段の研究・調査では、主にアスリートや若い人を対象にしているので、高齢者の方だと難しい動きがあることや、どんなアプローチをするべきかなど新たな気づきを得ることができました」と振り返ります。本事業の担当教員を務める野坂教授は、「高齢者がどのような悩みを抱えているか、ロコモ予防のメリットといった内容は授業でも説明しますが、教室の運営に参加することでイメージしやすくなるとともに、健康運動指導士と一緒に活動することで得られる経験もあります。また、今年は事業の最終年になるので、自発的に運動をしない人や自治体の健康診断にも訪れない高齢者にも参加してもらえるよう、活動を広げていきたい」と話しています。

※ロコモティブシンドローム(ロコモ):2007年に日本整形外科学会が提唱。運動器の障害のために移動機能が低下した状態のことで、進行すると介護が必要になるリスクが高まります

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