湘南望星ゼミナール「スポーツ根性論とは何だったのか:スポーツ実践の思想・哲学を求めて」を開催しました

湘南キャンパスで11月27日に、「2018年度第3回東海大学健康スポーツ科学セミナー・2018年度第2回湘南望星ゼミナール」(主催=大学院体育学研究科、体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科、学校法人東海大学望星学塾、協賛=秀和ビルメンテナンス株式会社)を開催しました。今回は、「スポーツ根性論とは何だったのか:スポーツ実践の思想・哲学を求めて」をテーマに、関東学院大学経営学部講師の岡部祐介氏(博士:スポーツ科学)をお招きし、学生や教職員ら115名が参加しました。

最初に、体育学研究科長の萩裕美子教授があいさつに立ち、「本講演には第1回東京オリンピックの内容が含まれており、来る2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツを多様な角度から学ぶいい機会となります」と語りました。

岡部氏ははじめに、学生時代に選手として箱根駅伝に出場した岡部氏の経歴や、選手経験を踏まえて研究者の道を志したエピソードなどを紹介。オーバートレーニングやバーンアウト(燃え尽き症候群)、不正行為といった「スポーツにおける勝利至上主義」から生じるさまざまな問題を対象に、なぜそうした現象が起きてきたのかを歴史的・社会的背景を踏まえて考察している研究内容についても解説しました。また、今回は「根性論」をキーワードにいくつかの事例を紹介し、第1回東京オリンピックのマラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉選手が自死に追い込まれた原因を、過去の新聞記事や辞書、遺族へのインタビューを通じて明らかにした調査成果を解説。1960年代の出来事であるにもかかわらず、現代のスポーツの現場にも共通する部分が多くあり、日本のスポーツやスポーツ指導のあり方を考えるうえで非常に有意義な講演会となりました。閉会にあたり、体育学研究科主任の山田洋教授が、「大学院生は岡部先生の研究手法をよく学び、自らの研究活動により生かせるよう努めてください」と語りました。

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