大学院体育学研究科体育学専攻博士課程後期の井出孝介さん(指導教員=体育学部体育学科・森良一教授)が、8月29日から31日までオンライン(一部対面)で開催された「日本体育・スポーツ・健康学会第74回大会」の保健専門領域で口頭発表し、発表賞を受賞しました。同大会は「地域の創生と共生をはぐくむ体育・スポーツ・健康科学」をテーマに開かれ、専門領域別研究発表では口頭・ポスター合わせて400名を超える研究者が発表しました。
井出さんは、「日本・諸外国におけるメンタルヘルスリテラシー教育に関する文献レビュー」をテーマに、精神疾患に関する正しい知識などを学ぶメンタルヘルスリテラシー(MHL)教育について国内外の研究論文を精読した成果を発表。日本では実施・効果検証がほとんど行われていない実態や、研究が進んでいる諸外国の教育プログラムの事例などをまとめました。大会での発表を振り返り、「100本近い英語の論文を精読するのはとても苦労しました。学会大会は台風の影響で対面からオンライン開催となったため慣れない環境での発表でしたが、聴講された先生方から質問やご意見をいただき、研究発表への励みとなりました」と語ります。
本学体育学部体育学科を卒業し、他大学の大学院を終了後、現在神奈川県内の小学校で教鞭を執る井出さん。「卒業後も専門的な研究に取り組みたいと考えていたところ、2021年度に体育学研究科に博士後期課程が設置され、保健科教育の専門家である森先生の下で研究したいと思い今年4月に進学しました。今回の研究は、私が学校現場でMHL教育を実践するうえでの第一段階。今後は発表内容を論文に起こして学術誌に投稿し、実際に小学校で教育プログラムを実践できるよう準備を進めていきたい」と語っています。