政治経済学部政治学科では、11月16日に「教えて!イクメンの星 育児休業の取り方・過ごし方」をテーマにオンラインでの特別講義を行いました。
日本の育児休業制度は国際的な水準から見てもかなり整備されていて、男性も女性も平等に取得できる制度となっていますが、男性の取得率は非常に低いのが現状です。男性(夫)が育児を担うことは、女性(妻)の就業継続を容易にし、職場の働き方の見直しにもつながります。日本政府も、男性の育児休業取得率のアップを呼びかけています。今回の特別講義は、政治学科の辻教授が担当する「政治社会学」の授業のなかで行われたものですが、厚生労働省のイクメンプロジェクト事業の一つとして講師を派遣していただきました。
当日は関本高史さん(東京海上ディーアール株式会社・主席研究員)が育児休業制度の概要や取得状況等を説明された後、伊藤大輔さん(第23回イクメンの星)が実際に育児休業を取得した経験から分かったことをお話してくださいました。
第一子のときは育児休業を取らなかったが、次に産まれるのが双子であることが分かったので育児休業を取ることに決めたという伊藤さんは、取得してはじめてどれだけ育児が大変か分かったこと、妻と一緒に育児に向き合うことで妻からの信頼も厚くなったことなど、率直に話してくださいました。受講した学生からは「育児休業を取得することで、出世が遅れるという不安はありませんでしたか」という質問が寄せられました。伊藤さんは「長い人生のなかで、育児にかかわることができるのは短期間。少しぐらい出世が遅くなっても、自分の人生のなかで家族と過ごす時間を大事にしたいと考えた。そういう時間を持てたことで、復帰後の仕事も頑張れていて、今は部下の育児を応援できる管理職になろうと考えている」と答えてくださいました。
授業担当の辻教授は、「制度改革は重要ですが、一人一人の行動が変わらないと社会は変わりません。学生の皆さんが将来、育児休業をとるかどうかを迷ったときに、今回のお話を思い出して納得できる選択をしてほしいと思います」と述べていました。