政治学科に武田健講師が着任しました

政治経済学部政治学科に今年度から、講師として武田健先生が着任しました。武田先生はヨーロッパ連合(EU)の政治が専門。ヨーロッパ諸国は第2次世界大戦以前、大規模な戦争を繰り返してきた歴史を持っていますが、大戦後から現在に至るまで、人類史上例がないといわれるほど長期に及ぶ協力関係を発展させてきました。武田先生はなかでもEUの基本法規となる「EU基本条約」の政府間交渉に着目し、なぜ当初は各国で意見が異なり、激しく対立していた争点であっても、交渉を長期に続けていくうちに、対立が緩和、克服されていく時があるのか、その理由の解明に取り組んでいます。各国やEU諸機関の一次資料、交渉当事者へのインタビュー調査などに依拠し、対立を乗り越えることができる(またはできない)諸要因の解明に取り組んでいます。

「日本も様々な国々と様々な外交課題を抱えています。もちろんEUの中で培われてきた交渉の経験や知識、手法、信頼関係がそのまま日本や他地域にそのまま導入できるわけではありません。それでもEUの例は、度重なる危機を経験しても、また、各国で利害が対立していても、接触、対話、交渉を重ねていくうちに、問題を少しでも解決の方向に持っていくための好条件が揃うタイミングがおとずれる時があることを示唆しているように思えます。ヨーロッパだけではなく、世界の様々な外交問題、国際問題について、学生の皆さんと一緒に楽しみながら、でも真剣に学んでいきたい」と話しています。

武田健講師_525.jpg