経済学科に門川和男講師が着任しました

政治経済学部経済学科に今年度から、門川和男講師が着任しました。門川講師は、経済を地域内の特徴や地域間の差異などの視点から読み解く経済地理学が専門です。これまでの研究では、日本の中小企業にスポットをあて、愛知県など大企業の工場が立地する場所の周辺では大企業との信頼関係によって中小企業が成長している一方、長野県諏訪市などでは既存の取引関係にとらわれない企業間の信頼関係によって新しい産業が生まれているといった実態について明らかにしてきました。また現在は、47都道府県相互の関係を物流や本社と工場の立地といった生産組織にもとづいて視覚化し、歴史的な変化を解明する研究にも取り組んでいます。

「経済学というと、数式で経済現象をとらえるイメージがあるかも知れませんが、それだけでなく、新しい経済現象が起きたときに、その1歩がどのように踏み出されたのかという人間のひらめきや行動の過程も明らかにしたいと考えています。現代における産業の発展には、これまで結びついてこなかった技術同士を組み合わせて、新しい付加価値を生み出すことが必要になってきているといわれています。しかしそれ自体は、自然にある岩と木を使って斧を作り、水を使って食べ物を調理して新しい価値を生み出してきたのと同じ、人間の営みの中でずっと続いてきたことでもあります。ではどうすれば、現代社会の中でそれが可能になるのかについても探っていきたい。学生たちにはぜひ、自立し、主体的に学ぶ姿勢を身に付けてほしいと思います。大学4年間で何か一つ自分でやりきったと思えるもの、楽しかったと感じられることを見つけてください」と話しています。

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