巨大ブラックホール近くの超高エネルギーガンマ線爆発現象を西嶋教授と櫛田准教授らの参加する国際共同研究チームが観測しました

理学部物理学科の西嶋恭司教授と櫛田淳子准教授、大学院総合理工学研究科の小谷一仁さんが所属する国際共同研究チーム「MAGIC」がこのほど、ペルセウ ス座銀河団にある電波銀河IC310の中心にある巨大ブラックホールの近くで発生した超高エネルギーガンマ線爆発現象を観測しました。MAGICは世界 10カ国から160名が参加し、カナリア諸島ラパルマ島にあるチェレンコフ望遠鏡「MAGIC」を用いて銀河系内外から飛来するガンマ線の観測を行ってい る国際プロジェクトです。研究成果は11月10日に世界6カ国で同時に記者発表されました。

今回観測された現象は、2012年11月12日にIC310の中心にある太陽質量の3億倍の巨大ブラックホールを観測したデータを分析した結果明らかに なったものです。これまで用いられてきた理論モデルでは説明できないほど大量の高エネルギーガンマ線が短時間で放出されていたことを発見。高速回転する強 い磁場を持ったブラックホールの極付近の非常に狭い領域で粒子が加速され、超高エネルギーガンマ線が放出されるという新しい理論モデルを提案しました。

櫛田准教授は、「謎の多いブラックホール近傍の物理現象の解明に弾みがつくと期待されています。これからも研究成果を着実に積み重ねていきたい」と話しています。

巨大ブラックホール近くの超高エネルギーガンマ線爆発現象を西嶋教授と櫛田准教授らの参加する国際共同研究チームが観測しました
<写真左:チェレンコフ望遠鏡「MAGIC」 写真右:チェレンコフ望遠鏡で観測された電波銀河IC310>

巨大ブラックホール近くの超高エネルギーガンマ線爆発現象を西嶋教授と櫛田准教授らの参加する国際共同研究チームが観測しました
<写真左:2012年11月12日に観測された「IC310」 からの高エネルギーガンマ線の強度の変動 写真右:ガンマ線放出のイメージ図>