理学部講演会「IoT社会に向けて-IoTで変貌する世界の今と未来」

理学部情報数理学科では6月10日に湘南キャンパスで、講演会「IoT社会に向けて-IoTで変貌する世界の今と未来」を開きました。急速に進むIoT社会の現状や各国、産業界の動向について、学生たちに理解を深めてもらおうと企画したもので、1年次生を中心に学生や大学院生約120名が参加しました。

最近、ニュースなどで頻繁に耳にするようになった「IoT(Internet of Things)」は、世の中に存在するさまざまなモノがインターネットを介してつながり、リアルタイムで情報のやり取りができるシステムで、膨大な量や範囲のデータが収集・分析できます。2010年ごろより注目されており、ビジネスや社会全般に大きな革新をもたらすと期待されています。

当日は、情報数理学科卒業生の池田豊氏(シーメンス株式会社ソリューションコンサルティング部アソシエイトコンサルタント)が講演。シーメンスでの事業内容を紹介した後、身近にある自動運転制御や遠隔操作などの具体例を挙げながら、IoTについて解説しました。続いて、それぞれの国が進めている取り組みや研究開発などを説明。池田氏は「第4次産業革命とも言われるIoTは、データ活用や自動制御、製造、医療、農業分野などに幅広く貢献できるため、活用に向けて全世界でしのぎが削られています。シーメンスではデジタル技術とオートメーション技術を生かして、生産システムの変革やビッグデータの情報分析から標準化を目指しています」と語りました。

さらに池田氏は、グローバルな展開を進めている企業が増えている中で、英語でのコミュニケーション能力の重要性を強調し、「英語に強いと仕事の幅も広がります。私は英語をもっと勉強しておけばよかったと後悔していますから、皆さんは英語の力をつけるための努力をおこたらないでほしい。就職に関しては大まかな方向性が定まったら、行動しながら情報を得て修正していくことが重要。世の中は常に変化していますから、アンテナを張ってニュースなどから情報収集をしておくことが大切です。情報収集力は就職してからも役立つはずです」とアドバイスしました。

最後の質疑応答では、「IoTのセキュリーティー面についての不安」「自動制御や自動化が進んだ場合、人間はどのような仕事をするのか」「IoTの活用分野」「学生時代にやっておくといいこと」などの質問が寄せられました。

学生たちは、「IoTに興味があって聴講しましたが、最新の動向を知ることができて興味深かった。今後の研究の励みになります」「最先端の情報通信技術についてわかりやすく解説していただき、とても勉強になりました。専門分野だけでなく、英語にも力を入れようと思います」「将来は外資系企業への就職も考えているので、具体的な質問もできて参考になりました」などと感想を述べていました。

理学部講演会_525.jpg