化学科の小口准教授が研究代表を務めた論文が学術誌『SYNFACTS』のハイライトとして掲載されました

理学部化学科の小口真一准教授が代表を務めた研究グループの論文「ジアリールテルリドとボロン酸のチオフェンカルボン酸銅を利用した温和な条件下でのクロスカップリング反応」が、有機化学の研究分野で発表された最新の論文の中から特に注目される合成反応を選出する学術誌『SYNFACTS』(2019年2月発行)のハイライトとして掲載されました。本誌は世界的に著名な有機合成化学に関する専門学術誌で、天然物化学、複素環化学、材料化学、金属触媒反応、有機金属合成、有機触媒反応、固体担持触媒合成の7分野で優れた論文が選定されています。今回は、有機触媒反応の分野における優れた研究として紹介されました。

本研究は、ジアリールテルリドとボロン酸を合成する際、室温で反応が進行し、高収率で目的物を生成できることを発見したものです。同族のセレン化合物では反応が進行せず、テルル化合物が選択的にカップリング反応することが判明。安価な銅を試薬として利用している点も評価されています。小口准教授は、「2017年にも論文がハイライトに選出されましたが、その時は固体担持触媒合成の分野で選ばれたので、異なる分野でも評価されたことをとてもうれしく思います。今後も既存の分野に捉われず、新しいことにチャレンジしていきたい」と語っています。