数学科の学生を対象にした「教職講演会」を開催しました

理学部数学科では6月19日に湘南キャンパスで、「数学科教職志望学生のための教職講演会」を開催しました。数学の教員を目指して教職課程を履修している学生たちに、生徒への指導方法や教育現場の事例を知ってもらおうと企画したものです。今回は本学科卒業生で川崎市立枡形中学校の教頭を務める宮嶋俊哲氏を講師に招き、約20名の学生が参加しました。

宮嶋氏は初めに、「算数に比べて数学は、『将来何の役に立つか分からない』というイメージを持つ生徒が多く、高校で勉強することをあきらめてしまう人もいる。『楽しいから勉強する』という子どもを増やすことが大切です」と提言。2006年に経済協力開発機構が行った小中学生対象の学習到達度調査で、日本人は数学への興味関心が低い結果が出たことを受け、児童生徒が興味を持って勉強することを目的とした学習指導要領に変化している実状を紹介し、「学習指導要領を読むときは、主語を生徒にすると教員がやるべきことが見えてきます。生徒が発展的に物事を考えられるよう、周りと協力して答えを導き出す手助けをすることが教員の役割です」と語りました。

また、2人一組で行う数字ゲームの必勝法や、差の回文数式をつくる問題などを紹介し、授業の受け手が楽しめる空間づくりを実演。最後に、「教員が一方的に説明するだけの授業になってしまうと、学習したことは定着しません。皆さんは教員免許の取得に向けて勉強に励んでいるかと思いますが、免許がいるということは、危険が伴い、とても責任の大きな仕事であるということです。プロとしての意識を忘れずに生徒に接することを意識してください」と語りかけました。参加した学生からは、「実際の教育現場であったことを例に話していただいたので、生徒への伝え方や、意見の引き出し方がとても参考になりました。また機会があればぜひ宮嶋先生のお話を聞きたい」といった感想が聞かれました。

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