化学科の小口真一准教授が執筆者を務めた『イオン液体の実用展開へ向けた最新動向』が発行されました

理学部化学科の小口真一准教授が執筆者の一人として寄稿しているシーエムシー出版の書籍『イオン液体の実用展開へ向けた最新動向』が、8月26日に発行されました。『新材料・新素材シリーズ』のイオン液体関連書籍の1つで、電池や生体利用さまざまな用途での利用が期待されるイオン液体の特性を理解し、実用展開に結び付けることを目的に、第一線で活躍する研究者が執筆する専門書です。

小口准教授は、第7章の執筆を担当。「反応溶媒および固定相としてのイオン液体」と題して有機合成反応の溶媒とした利用を紹介しました。一般的な有機溶媒は揮発性が高く引火性のものが多い反面、イオン液体は難燃性であることから火災・爆発の危険性が低いなどといった利点を説明するとともに、溶媒として利用されてきた歴史や特徴、実用化に向けた最新動向を解説し、「汎用性有機溶媒を用いた従来の有機反応では、反応後の後処理や触媒の再利用などに問題を有していた。一方、イオン液体またはイオン液体担持試薬を用いることで、後処理の簡便化や触媒の再利用が可能となり効率的な有機合成が可能となった」とまとめました。

小口准教授は「第一線で活躍する研究者たちが執筆する専門誌に自分も参加することができて、大変うれしく思います。今後はイオン液体を用いて、より環境に優しい新たな反応系を作っていきたい」と話しています。