韓国・漢陽大学との「国際学術セミナー」で観光学専攻の大学院生が発表

韓国・漢陽大学との「国際学術セミナー」で観光学専攻の大学院生が発表

湘南キャンパスで8月2日に、韓国・漢陽大学と東海大学大学院文学研究科文明研究専攻、観光学専攻の共催による「国際学術セミナー」が開催され、今年度から開設された観光学専攻で学ぶ大学院生2名が研究成果を発表しました。漢陽大では、韓国政府が世界水準の大学院育成を目的として実施している「BK(Brain Korea)21プロジェクト プラス」の採択を受け、「日本研究特性化チーム」の活動を展開しています。今回のセミナーはその活動の一環として、大学院生レベルでの研究者間の交流や、若手研究者の育成を目的に企画されました。本学では同大と学術交流協定を結んでおり、長年にわたって共同研究に取り組んできたことを受け、今回のセミナー開催に協力しました。ランチタイムには本学文明研究所によるセミナーも実施。文学部の平野葉一教授(学長室長)が「言語文化多様性について」、鷹取勇希非常勤講師が「ヘゲモニー論からみた英語文化支配の構造」と題して講演しました。

当日は、「グローバル社会における日本研究」をテーマに、漢陽大の大学院生5名、本学大学院文学研究科の大学院生4名に加えて、アメリカ・コロンビア大学とイタリア・ヴェネツィア大学からもそれぞれ1名が登壇。日本に関連して取り組んでいる日本の文化・文明をはじめ歴史や観光、言語などの研究内容について紹介し、それぞれのテーマについて活発な質疑応答が行われました。観光学専攻からは今年3月に観光学部を卒業して、大学院に進学した岡山奈央さん(1年次生)と飯田侑里さん(同)の2名が参加。岡山さんは「観光の問題性と日本の役割」をテーマに、アジア、西欧両者の視点に立って文化的な影響を考え、バランサーとしての役割を果たすべき」とまとめました。

一方の飯田さんは、「廃墟をめぐる観光」をテーマに、長崎県にある端島(通称・軍艦島)が近年の「廃墟ブーム」で注目された経緯について説明しながら、同じく”廃墟”をポジティブにとらえた例としてイギリスなどで見られる風景式庭園における人工廃墟「フォリー」を紹介しました。発表を終えた二人は、「学会や学術セミナーでの本格的な研究発表は初めてで緊張しましたが、学部から学んできた成果を出せたと思います。海外の大学院生の発表では、比較文明学の観点からも興味深い内容が多かった。今後の参考にしていきます」と話しました。

韓国・漢陽大学との「国際学術セミナー」で観光学専攻の大学院生が発表