観光学部観光学科の菅井克行教授と遠藤晃弘講師のゼミに所属する3年次生計17名が2月28日、神奈川県大磯町保健センターで開催された「みなとまちづくり講演会 ~圏央道開通による大磯港への新たなる需要創出の可能性~」で調査結果を発表しました。この講演会は、大磯町の活性化を目標に活動する同町漁業協同組合らによる「大磯港みなとまちづくり協議会」の研修事業として、毎年開かれているものです。今回は「大磯町新たな観光の核づくり推進協議会」の会長を菅井教授が務めていることから本学部も共催として参加。地元住民ら約70名が聴講しました。
当日はまちづくり協議会の岩田全弘会長が、「講演会を通じて、観光学部の先生や学生さんと意見を交換し、よりよい街のあり方について考えたい」とあいさつ。大磯町の栗原匡賢副町長が、「先生方からアドバイスをいただくとともに、学生さんならではの提案があることを期待しています」と話しました。続いて菅井教授が、「学生たちは、2015年度To-Collaboプログラムの地域志向教育研究経費採択課題『交通インフラの変革に対応した地域観光資源の活用』の一環として、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通が大磯にもたらす影響を調査してきました。この場で調査した成果をお伝えできることをうれしく思います」と語りました。
その後、学生6名が大磯町を訪れた観光客に対して行ったアンケートの結果などを発表し、「海水浴を目的とするファミリー層が非常に多く、車を使って訪れる人が増加していました。また、圏央道延伸によって神奈川県内だけでなく、東京や埼玉からの観光客が増えていました。ドライバーをさらに呼び寄せるためには、駐車場のさらなる充実など海水浴場周辺の利便性を高めることが重要です」と力説しました。
発表後のパネルディスカッションでは、「ドライブ需要とみなとまちづくり」をテーマに、モデレーターの菅井教授による進行のもと、パネリストとしてまちづくり協議会から岩田会長、石井晴夫氏(大磯町観光協会事務局長)、加藤孝氏(大磯町漁業協同組合長)、菅井ゼミから加藤夏生さん、遠藤ゼミから高見優花さんが登壇。大磯の魅力をまとめた情報雑誌を制作しドライブインに設置する方策や、イルミネーションを活用して新たな観光スポットを創出するといった提案について意見を交わしました。
参加した学生からは、「地元の方から、“静かな町を守りつつ、本当に大磯の価値を愛してくれる人に来てほしい”といった意見をうかがい、とにかく多くの人を呼びたいと考えていた自分の考えがあまかったことに気づきました。この経験を生かし、観光地のアクセスの重要性や地域活性化について、より深く学んでいきたい」といった声が聞かれました。