食生命科学科の2年次生が食品加工基礎実習でモッツアレラチーズの製造に挑戦

農学部 食生命科学科の2年次生が、「食品加工基礎実習」の一環として、阿蘇くまもと臨空キャンパス内にある食品加工教育実習棟でモッツァレラチーズの製造に取り組みました。本実習では、将来、食品製造や品質管理などの分野で活躍するために必要な知識や技術を、実際に“つくる”体験を通して身につけます。食品メーカーや研究機関など、食に関わる幅広い分野を志す学生にとっては、自らの適性や興味を深める貴重な機会です。

今回は、乳製品の加工をテーマに、ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い、食品衛生法や乳等省令におけるチーズの定義などを学んだ後、モッツァレラチーズの製造工程を体験しました。学生たちは、6月10日と17日の2日間にわたって2グループに分かれ、以下の工程を一つひとつ丁寧に実習しました。

製造工程(モッツァレラチーズ)
1. 原料乳の準備
2. 乳酸発酵による酸の生成
3. レンネット(酵素)添加による凝固
4. カッティングによるカード形成
5. 撹拌と加温
6. ストレッチテスト(チーズの伸展性の確認)
7. フィラトゥーラ(塩水中での練りと整形)
8. 冷却と塩水保存

フィラトゥーラでは、熱湯の中でチーズを手作業で練り上げ、弾力のある独特の食感を持つモッツァレラチーズへと仕上げていきます。手ごたえのある工程に、驚きと楽しさが感じられた様子でした。
加工技術だけでなく、衛生管理や食品添加物の適切な使用、安全性への配慮など、実際の製造現場で求められる実践力もしっかりと学べるのが、この実習の特長です。食生命科学科では、食品の加工・機能・安全性に関する多様な実習や研究に取り組むことで、食の分野で社会に貢献できる人材の育成を目指しています。将来、食品に関わる仕事に興味がある方は、ぜひ一度、私たちの学びを体験しに来てみてください。

※フィラトゥーラ(filatura):モッツァレラチーズ特有の製法で、熱湯中でチーズを練りながら引きのばし、繊維状の組織をつくる工程。