第3回「農・食・健」QOLセミナーを開催しました

2019年03月26日

東海大学では、3月18日に阿蘇実習フィールドで第3回「農・食・健」QOLセミナー(協賛:一般財団法人アグリオープンイノベーション機構)を開催しました。農業や水産業、食品加工関連業、健康産業などに携わる自治体や企業の担当者に本学の研究成果や知見を発信し、社会実装を見据えた共同研究などのマッチングを図ることを目的としたもの。今回は同日に「実習場A・B」の竣工式が執り行われた阿蘇実習フィールドを会場に、「地域の伝統と風土を活かした『農・食・健』による震災復興への貢献―東海大学農学部・海洋学部のシーズから―」と題して実施。地域住民や教職員、学生ら約100人が参加しました。

開会にあたり、山田清志学長があいさつを述べ、荒木朋洋九州キャンパス長が新施設の概要を説明しました。続く、特別プログラム「『阿蘇地域の創造的復興に向けた地域循環共生圏構築に関する協定』に基づく『研究プロジェクト』及び『地域創生プロジェクト』活動状況報告会」では、平野葉一副学長(文学部長)が熊本県と環境省、本学の三者が結ぶ協定の概要と大学の役割について解説。熊本県企画振興部地域振興課課長の倉光麻里子氏は、「南阿蘇村黒川地区創造的復興プロジェクト」の活動状況を報告し、熊本地震で大きな被害を受けた黒川地区の創造的復興に向けて、住民や学生らと意見を出し合い実施された「阿蘇を語る日」「農作物収穫イベント」といった事例を紹介しました。また、経営学部観光ビジネス学科の小林寛子教授が「国立公園満喫プロジェクト」について紹介。今年度の成果として、地産地消の料理が食べられる店や写真映えする場所などをまとめた「阿蘇の宝マップ」、旬の農作物が地域の祭りが月ごとに記された「阿蘇のカルデラこよみ」といった製作物を来場者に披露しました。

「防災・減災特別講演」では、情報理工学部の長幸平教授が、衛星観測と現地調査を用いた被災地の被害・復興の情報収集について実績を紹介し、災害時におけるSNSの活用方法を訴えかけました。また、海洋学部の研究紹介として、海洋学部海洋文明学科の山田吉彦教授が登壇し、現代における海洋問題と日本の主な海洋資源を紹介。海洋調査船の不足や日本の漁業における水産経営の課題などを提言しました。農学部の研究紹介では、バイオサイエンス学科の木下英樹講師が、阿蘇の農畜産物と東海大オリジナル機能性乳酸菌をかけ合わせた商品開発事業について紹介。農家の収入増加につなげる6次産業化など、商業活用に向けた提案について語りました。最後に、応用動物科学科の樫村敦講師と同学科の学生3名が登壇。農学部が阿蘇地域の風土・文化特性を生かして開発した肉用牛「草原あか牛"eco beef ASO"」の特徴について、日本の牛肉生産の現状を踏まえながら説明しました。

本セミナーを企画・運営した産官学連携推進課の岩森暁課長(工学部教授)は、「震災で大きな被害を受けた阿蘇の地で、復興に向けて今も多くの人が努力を続けています。本フィールドにおいて新しい建物も整備された中で、QOLに関するセミナーの開催はとても意義のあるものになったと感じています。九州キャンパスの先生方からは、観光資源の活用や阿蘇の特産物を用いた新商品の開発といった話題の提供もありましたので、本セミナーがそうした情報発信の役割を担えればと考えています」と語りました。

またセミナー後は、実習場Bでポスター発表と情報交換会を実施。あか牛のステーキや農学部が加工したベーコン、南阿蘇村の住民が手づくりした「のっぺい汁」やおにぎりなどがふるまわれ、阿蘇の味覚を楽しみながら交流を深めました。

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